YUKI

YUKI「FLY」

投稿日:2014年10月15日 更新日:


YUKI「FLY」(2014)

~生きるって、踊ることだったんだ~

元ジュディマリのボーカル YUKI の7枚目のフルアルバム。今回のテーマは「踊れる」作品。
いわゆるダンスアルバムなんだけど、バキバキのダンスチューンばかりということではなくて、
自然と体が揺れるような曲もあれば、しっとりとしたバラード曲もある。
年齢を重ねた今でも、挑戦意欲満載な彼女のミュージシャンとしての力量がいかんなく発揮された一枚。

まずは挨拶代わりの4つ打ちダンスナンバー「誰でもロンリー」
エレクトロな音像に乗せて、誰でも独りなんだと訴えかける。

「奈落から這い上がれ 誰かのアイドル」

このフレーズにピンと来た人は、「あまちゃん」ファンです! 当然、アイドルも孤独。
このアルバムの方向性を表す、リード曲。

落ち着いたAメロから弾けるサビの対比が素晴らしい「Jodi Wideman」
ピコピコしたテクノサウンドなんだけど、生々しさを感じるのが彼女らしい。
歌詞に「レリゴ―」が入っているのは面白いですね。今年のトレンドを入れてきたか。

キャッチーなメロディとYUKIさんの浮遊感あるボーカルが印象的な「はみだせ ラインダンスから」
歌詞の内容が切ない恋愛模様。泣きながら、踊る感じの楽曲。

KAKATO(環ROYと鎮座DOPENESSのユニット)が参加している「波乗り500マイル (feat.KAKATO)」
落ち着いたテンポのラップと賑やかなバックの演奏が良い感じ。

「もう恋なんてしない 痛い想いはしたくないわ」

色々あったんだろうなあ、なんて思ったり・・・。

スローテンポでファンキーなアプローチの「君はスーパーラジカル」
恋愛に対して、包容力を持って肯定する歌詞が特徴的。

大人な雰囲気漂うソウルフルな楽曲「It’s like heaven」
明るい声が印象的なYUKIさんのイメージとは違う、気だるい歌い方が新鮮。
バイクのエンジン音が挿入されているけど、スピード感はない。淡々と運転しているイメージ。

約1分半と短い間に、言葉遊びが満載な「真夜中の恋人」
中々、衝動的な歌詞と軽快なメロディが癖になる。

生活感を感じる歌詞が特徴的なミドルチューン「ポートレイト」

「想い研ぎ澄ませ 鋭く 眼差しよ 熱く萌えて」

柔らかい印象のボーカルに、鋭い語感のフレーズが飛び込んでくるのでびっくりする。

このアルバムの中でも特殊な、RPGのような雰囲気の「スリーエンジェルス」
物語性のある歌詞と、どこかミステリアスな音像が独特。
彼女の音楽性の広さを感じる楽曲。

マイナー調の情感たっぷりなバラード「眼鏡を外して」
全体に漂うレトロな雰囲気が彼女のイメージとは正反対で、これまた新鮮。
YUKIさんのボーカリストとしての表現力の豊かさを堪能できる楽曲。

柔らかいボーカルで歌いあげられるポップソング「口笛」
過去を懐かしむような歌詞が心にしみる。

「挫折も希望さえ 知らなかった自分 ああ あの日は もう帰らない」

あの頃はよかったなんて言いたくはなかったのにな。

とても爽やかで突き抜けたような印象のシングル曲「わたしの願い事」
裏で鳴っているディレイが効いたギターフレーズが良い。

「風のように柔く 風のように去る それが願いです」

曲調にマッチした完璧なフレーズ。

ドラマの主題歌になったラブバラード「STARMANN」
力強く歌いあげるボーカルと壮大なアレンジが特徴。
熱のこもったギターソロ。壮大なバラードのギターソロとしてはお手本のようなソロ。

サビの疾走感がたまらないシングル曲「坂道のメロディ」
比較的のんびりしたAメロ~Bメロとは対照的な、坂を走りながら下って行くイメージが湧くサビが素晴らしい。
このアルバムのテーマである「ダンス」という単語が歌詞に入っているのが面白い。2年以上前に出た曲なのに。

ホーンの明るいサウンドと前向きな歌詞が幸福感ある「カ・リ・ス・マ in the dark」

「さあ 素晴らしい世界を見よう さあ 美しい世界を見よう」

ここまで、アルバムを聴いてきて終盤にこんな歌詞が来ると、感情が揺さぶられるね。

ラストはアルバムタイトルと同名の「fly」
最小限のバックの音がボーカルを際立たせる。
既に、次の作品を見据えたような歌詞が印象的。時計の針は進み続けている。

音楽雑誌等で、「ダンスアルバム」だと刷り込まれていたので、通して聴くと意外な感じ。
確かに、冒頭の3曲はダンスナンバーなんだけど、後は様々なジャンルが混在した楽曲達。
今までのYUKIさんのイメージとは違う楽曲もいくつかあり、実験的な作風ともいえる。
では、なぜここまで「ダンスアルバム」と評されているのか?

一曲一曲の楽曲の歌詞を見ていくと、身体を動かしている描写が多く見られる。
その中には、「ダンス」や「踊る」といった直接的な表現もあるし、そうでない日常の動きもある。
こうした人間における「動き」を総称して「ダンス」と表現しているのではないかと個人的には感じた。
人間は動きを止めてしまったら、死んでしまうのだから。

そんな、落ち着いた印象も受けるし、フィジカルな印象もある不思議な作品。
アルバムの流れとしては、中盤の曲にメリハリのある、これぞダンスナンバーみたいなのがあればなとも。
僕自身が、ギターロックが好きなので、そういう楽曲(前作だと「鳴いてる怪獣」のような曲)も欲しかった。
いずれにしても、現在のトレンドを踏まえたうえで、しっかりと自分の物にし、力作を生みだしたYUKIさん。
今後も、日本を代表するシンガーとしての活躍を期待しています。

① 誰でもロンリー


② Jodi Wideman
③ はみだせ ラインダンスから
④ 波乗り500マイル[feat. KAKATO]

⑤ 君はスーパーラジカル
⑥ It’s like heaven
⑦ 真夜中の恋人
⑧ ポートレイト
⑨ スリーエンジェルス
⑩ 眼鏡を外して
⑪ 口笛
⑫ わたしの願い事

⑬ STARMANN

⑭ 坂道のメロディ -version FLY-
⑮ カ・リ・ス・マ in the dark
⑯ fly

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プロフィール

著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

邦楽アルバムの感想とコラム記事を中心に書き殴っていきます。
特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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