YUI

YUI 「FROM ME TO YOU」

投稿日:2014年4月27日 更新日:


YUI 「FROM ME TO YOU」(2006)

~YUIとは何者だったのか~

福岡出身の女性シンガーソングライター YUIのデビューアルバム。
後にヒットした「CHE.R.RY」や「HELLO」で見られる、可愛らしいYUIのイメージで聴くと驚くかもしれない。

アコギを主体にしたポップな曲調と「天使の琴声」と称された素朴な歌声により印象を和らげているが、歌詞は中々重く、当時十代だった彼女の苦悩が描かれている。

「涙のメリーゴーランド」「帰る場所なんてない」「馴染めない都会」「逃げ出したい衝動」などストレートな表現に、聴いているこちらが心配になるほど。
「FROM ME TO YOU」にはありのままの自分を知ってほしいという思いが込められているのでは。

マイベストはシングル曲の⑤。
軽快なアコギリフに、このアルバムを象徴するような、若い時にしか書けないような歌詞。
サビラストの「簡単にいかないから生きていける」というフレーズは、彼女がたどり着いた答えか。

デビューシングルの②は曲調と歌声が恐ろしいほどマッチしている良曲。

アルバム曲では⑦は好きな曲。サビの「アイシテヨ アイニキテ」というフレーズは耳に残る。
「臆病なアタシに気付いてよ」とここでも明るくはない。

⑨はロック色の強い楽曲。どこかぶっきらぼうな歌声も癖になる。
⑬はアルバムのラストを飾る楽曲だが、「私は一人」と最後の最後まで安易な希望を歌おうとはしない。

このアルバムは赤裸々に感情をさらけ出しており、後のYUIとは少し違った印象を受ける。
タイアップが多くついた以降の楽曲は個人的に好きな曲もあるが、今聴くと無理しているような印象も受ける。

YUIが活動休止したのと入れ替わるような形で、miwaがそのポジションを取って変わった感じがするが、miwaは「ミュージシャン風アイドル」を求められている気が個人的にはしていて、YUIの二の舞になってしまわないだろうかと勝手に心配している。
(本人が望んでいれば問題ないが)

大衆受けを狙うレコード会社と自己表現したいアーティストという構図は今も昔も多くみられるが、YUIもこれに巻き込まれた形になってしまった。

余計なことを書いてしまったのだけれども、このアルバムは間違いなく名盤である。
一人の女性として、一人のアーティストとしてのYUIが詰まった作品。
「YUIなんてアイドルでしょ」なんて思っている人に聴いてもらいたい一枚。

① Merry・Go・Round
② feel my soul


③ Ready to love
④ Swing of lie
⑤ LIFE

⑥ Blue wind
⑦ I can’t say
⑧ Simply white
⑨ Just my way
⑩ Tomorrow’s way

⑪ I know
⑫ TOKYO

⑬ Spiral & Escape

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プロフィール

著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

邦楽アルバムの感想とコラム記事を中心に書き殴っていきます。
特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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