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【コラム】四つ打ちダンスロックバンドは、いまどこに向かっているのか?

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以前にこんな記事を書いた。

2014年現在 ギターロック界隈で流行っている「四つ打ち」について書いてみました。

この記事では、四つ打ちのリズムを使って、踊らせるバンドが増えているよと。
あと、「なぜ、人は四つ打ちで踊るのか?」という側面でも記事を書いてる。

あれから、3年の月日が流れた。
小学校を卒業した子が高校に入学する。3年という月日は一瞬だ。

そんなわけで、上記の記事で紹介した2014年に四つ打ちで踊らせていたバンド(+α)がどうなっているのかを記事にしてみようと思う。

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KANA-BOON

四つ打ちダンスロックの代表格として、大活躍した彼ら。
2014年は代表曲「シルエット」、ライブで鉄板となった「フルドライブ」を発売するなど精力的に活動した。
2015年早々にアルバム「TIME」を発売。初週売り上げ約3.6万枚のヒットを記録した。

そして、2017年現在。フェスではメインステージを務めることが多いが、正直勢いがなくなってきてる感は否めない。
現時点での最新シングルは「バトンロード」。

素直にいい曲だと思う。以前のような早いBPMで踊らせようというよりも、グッドメロディで歌詞をしっかり聴いてもらおうという意思を感じる。
だが、現実は残酷だ。「バトンロード」の初週売上は約0.4万枚。2014年発売のシルエットは初週約1.4万枚を売り上げている。
約3分の1に売り上げが減ってしまった。
(彼らの場合、売り上げ低下の要因が音楽以外のことも関係してるとは思う)

今後の彼らは、「バトンロード」のようないいメロディにいい歌という曲を多く出していくんだろう。
谷口鮪の人懐っこいボーカルと、ポップで歌いやすいメロディが彼らの武器だと思うので、今後もこの路線で間違いはないはず。
みんなが知ってて、歌えるような普遍的なポップソングを作って欲しいな。

KEYTALK

ハイブリットなダンスロックを届け、フェスでは欠かせない存在となった彼ら。
2014年は高速四つ打ち「パラレル」、彼らを語る上で外せない「MONSTER DANCE」を発売。
年が明けた2015年には、これらを収録したアルバム「HOT!」を発売。初週約1.4万枚を売り上げた。

2017年はというと、3月にアルバム「PARADISE」を発売し、さらにシングル「黄昏シンフォニー」をリリース、8月には「セツナユメミシ」も発売予定。

ここ最近の彼ら得意の和風なメロディを強調し、バンドサウンド以外の音も取り入れたキャッチーな曲。
これも、いい曲だ。

アルバム「PARADISE」の初週売上が約1.5万枚で、前作とほぼ横ばいなのをみると熱心なファンはしっかりついている。
あとは、どう新規のファンを取り入れるか。
そんな試行錯誤の中で間口が広そうな曲をリリースしている印象。だけど、従来のファンが離れるような気がしてならない。

ゲスの極み乙女。

上記2バンドと並んで、四つ打ちを使うバンドとして紹介したが、当初から毛色が違っていたバンド。
2014年は1stフルアルバム「魅力がすごいよ」をリリース。初週売上約3.8万枚のヒット。
2015年に「私以外私じゃないの」がCMソングに使われヒット、年末の紅白歌合戦にも出場。
そして、2016年にあれがあり活動休止した。

2017年は活動を再開し、アルバム「達磨林檎」をリリースした。

彼らの場合は2015年の時点で、四つ打ちダンスロックからは離れて、とんでもなく強度の強いポップソングを鳴らしていた。
結果、騒動と相まって、2016年発売のアルバム「両成敗」は初週売上約7.2万枚を記録。

最新アルバム「達磨林檎」は初週売上約1.4万枚。ファンが離れたのは否めない。
音楽的な要素よりも、あの騒動が関係しているからだと考えている。
でも、いまの彼らが作る音楽は本当に面白い。必ず、今後もいたるところで耳にするに違いない。

キュウソネコカミ

以前書いた記事には名前を出さなかったが、上記のバンドとともによく名前が挙がっていたバンド。
2014年にメジャーデビューし、ミニアルバム「チェンジ ザ ワールド」をリリース。
翌年10月には、メジャー初のフルアルバム「人生はまだまだ続く」が初週約1.5万枚を売り上げた。

2017年現在はというと、配信シングル「邪邪邪VSジャスティス」を2月にリリース。8月には、シングル「NO MORE 劣化実写化」をリリース予定。


彼らの場合は四つ打ちもそうだけど、歌詞の面白さがブレイクした理由。
2017年は、「ジョジョの奇妙な冒険」、「鋼の錬金術師」が実写映画化されるので、絶妙なタイミングでのリリース。

個人的な肌感としては、ちょっと壁に当たってるのかなと。
KANA-BOONや、KEYTALKと違って、リリースが少ないのも中々、真の人気が見極めにくい。
2016年8月のシングル「サギグラファー」が初週売上約1.1万枚。10月発売の「わかってんだよ」が約0.8万枚なので若干減ってはいるけど悲観するほどではない。

今後、音楽的にすごく飛躍するというバンドではなさそうだし、ネタがどこまで持つかという勝負になりそう。

最後にその他

2017年現在で、四つ打ちダンスロックで売れているバンドはというと。

THE ORAL CIGARETTESは売れてる。けど、デビュー当初は四つ打ちの印象あったけど、いまは山中拓也の妖艶なボーカルを前面に出してる印象が強い。
フレデリックは四つ打ちの印象あるけど、最近は色んなタイプの曲増えてるな。あと、2016年発売のアルバム「フレデリズム」は初週約1.0万枚。もっと売れると思ってた。

夜の本気ダンスは、名前通り多くの人踊らせてる。最近、ドラマの主題歌にもなったし今後に期待って感じだ。
ヤバイTシャツ屋さんは、2016年のアルバム「We love Tank-top」も初週約1.2万枚売り上げて勢いある。でも、四つ打ちの印象は少ないな。

これから期待のバンドだと、Benthamとポルカドットスティングレイか。
でも前者はすでに、四つ打ちからの脱却を図ってる印象。
後者は、四つ打ちダンスロック要素もあるが、それ以上にPVも含めた作品としての完成度で評価されそうな感じがする。

このように、2017年も四つ打ちのバンドは存在してはいるが、微妙に住み分けをしている印象。

で、四つ打ち全体での話はというと、シティポップや正統派ギターロックに押されているイメージ。
シティポップの筆頭は、Suchomosで間違いないと思うが、Nulbarichも注目されつつあり、今後も色んなバンドが出てきそうだ。
正統派ギターロックはというと、大ブレイクを果たしたバンドはいないが、My Hair is Badを出世頭に、ライブハウスレベルではブレイクしそうなバンドが順番待ちしているような状態。

最後に、自分が言いたいのはいいメロディが書けるバンドが最後は生き残るということ。

もうこれは、自分が言うまでもなく当たり前の話で、当たり前だからこそそれが出来たら苦労しないという話。
四つ打ち全盛の2014年でも、四つ打ちをやって売れないバンドはいくらでもいた。
小手先のテクニックではなく、耳にすっと入って忘れないメロディが書けるかどうかが勝負の分かれ目になる。

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プロフィール

著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

邦楽アルバムの感想とコラム記事を中心に書き殴っていきます。
特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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