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yonige「Coming Spring」

投稿日:2017年6月9日 更新日:


yonige「Coming Spring」(2015)

~可愛いではなく格好いい~

女版クリープハイプだの、女版マイヘアだの言われているガールズバンドyonigeの初となる全国流通盤。

いつの時代にも「このバンド!」っていう、ガールズバンドが出現する。
私たち世代(1990年生まれ)ならチャットモンチーだし、現在ならSHISHAMOが役割を担う。
で、その系譜を受け継ぐ存在になりそうなのがyonige。

女性が表舞台に現れると、「可愛いか、可愛くないか」の判断基準が大きく左右するのは歴史が証明してきた。
本来、音楽にルックスは関係ないはずなのに、フィギアスケートの「芸術点」のような形で加点されている気がする。

でも、このyonigeというバンドは音楽を素直に聴いてほしい。
格好いいから。

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楽曲の話

ギター、ベース、ドラムという編成。まさに「ギターロック」というサウンド。
ボーカル牛丸ありさの歌を中心においているバンドなので、派手な演奏もしない。
あくまで、サウンドに厚みを持たせるためのギターであり、音の隙間を埋める役割をはたすベースとドラム。

yonigeの楽曲はあまり「突き抜けた爽快感」というものはない。どこか、靄がかかったような音像。
加えて、牛丸ありさのボーカルも「余力を残した」ような、気だるさを感じるボーカル。

靄がかったようなサウンドと気だるいボーカルが合わさることで、彼女達が持つ「光が射してない場所で歌ってる感」がでる。
恋愛やその他諸々のことで、日々をもがき苦しみながらも、なんとか生きているって伝わってきた。

だから、「アボガド」で四つ打ちのダンスビートをやっても、踊れるわけではないし、「バイ・マイ・サイ」でタテ乗りのリズムを使っても跳べるわけではない。
名曲「さよならアイデンティティー」もテンポの速いギターロックだけど、爽快感は控えめ。

格好いいサウンドだけど、なぜか冷静に聴けてしまう。これが彼女たちの魅力だ。

歌詞の話

牛丸ありさの実体験をもとにした歌詞。特徴としては「ハッピーエンド」で終わらない曲ばかりであること。
アルバム冒頭と最後の曲が「さよなら」とタイトルについてることからも察してほしい。

「いろんなもの奪って いろんなもの失って もうこれ以上いらない さよなら (さよならバイバイ)」

こんな感じでバッドエンド。そもそも、「バッドエンド週末」って曲もあるぐらい。

実際、ほとんどの恋愛ってバッドエンドで終わりませんか。
ハッピーエンドで終わるなんて、「ドラマの中だけでしょ」っていうレベル。
そんなリアルな恋愛模様を描いた歌詞が「20代前半、恋や仕事に悩める女子」のハートを掴んだ。

あと、楽曲をキャッチーにしているのは、語感のよさがカギ。
例えば、「アボガド」の「バリバリバーン」だったり、「恋と退屈」の「死に損ない」の繰り返しだったり。

ただ日常を吐き出すだけではエンターテイメントになりえないけど、語感のいい歌詞を使い上手く両立させてる。

今を生きる切迫感

「日々生きていれば、辛いことはある」、そんな当たり前を代弁した曲達が心に響く。

「ガールズバンド」なんて、枠組み取っ払って「格好いいバンド」として聴いてほしい。

1.さよならアイデンティティー


2.バッドエンド週末
3.アボカド

4.バイ・マイ・サイ
5.サイケデリックイエスタデイ
6.最近のこと

7.恋と退屈
8.さよならバイバイ

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レクタングル大

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プロフィール

著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

邦楽アルバムの感想とコラム記事を中心に書き殴っていきます。
特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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