【UNISON SQUARE GARDEN】アルバム「MODE MOOD MODE」感想、楽しくて泣ける

MODE MOOD MODE
UNISON SQUARE GARDEN「MODE MOOD MODE」(2018)

2018年1月24日発売、メジャー7枚目のフルアルバム。

スポンサーリンク
レクタングル広告大

感想

2018年も最高の1年になりそう。

そんな予感さえ感じてしまうほど、2018年最初の月に登場したこの作品は素晴らしいアルバムだ。
一言で言ってしまえば「すごく楽しくて、ほんのり泣けるアルバム」である。

今作は彼らにとって7枚目のオリジナルアルバム。前作「Dr.Izzy」からは約1年半ぶりとなる。

「Dr.Izzy」は彼ら最大のヒットソングとなった「シュガーソングとビターステップ」を収録している一方で、この曲をきっかけとし彼らへ興味を持った人達に、色々な一面を知ってほしいという意図を感じるバラエティに富んだ作品となっていた。

今作「MODE MOOD MODE」は、さらにその流れを押し進めて、より自由に。

もう何をやっても「これがUNISON SQUARE GARDENだ」と宣言するかのように、ジャンルレスな音楽が鳴り響く。

楽しい

「ロックバンドは楽しい」

2009年発売、彼らの1stフルアルバム帯文に書かれていたのがこの一文である。
この一文がUNISON SQUARE GARDENの根っこの部分だと理解している。

この一文には二つの意味があって、まず一つ目は「自分たちはロックバンドである」という宣言の意味。
彼らの曲にはよく「ロック」ないし「ロックンロール」と言う言葉が出てくる。

Hello me, Hello you, time to Rock’n’Roll

「fake town baby」

五臓がロックして無敵モード

「Silent Libre Mirage」

今作でもこんなフレーズがあり、色々なジャンルの曲を作ったとしても、根本にあるのは「ロック」だということをデビュー当時から一貫して宣言し続けている。

二つ目としては、「リスナーを必ず楽しませる」という決意表明の意味。
今作でも聴いてくれるファンに対して、様々な仕掛けで徹頭徹尾楽しませる。

今回彼ら初めての試みとして、収録曲・曲順については、CDリリースの1週間後(配信開始日)までは情報を非公開にした。
この試みは、いち早くCDを手に取った人が一番いい思いができるようにという意図があった。
どこまでもファンを楽しませようという彼らのスタンスが形になったいい試みではないか。

アルバムジャケットも、毎回アルバムを手に取ってる人には嬉しい繋がりが。

3rdフル「Populus Populus」から5作続けて動物がジャケットに描かれている。
白鳥→ハリネズミ→フクロウ→牛、ときて今作はキリンだ。しかも、キリンに人が乗っている。乗り物としての動物にキリンを想像する人は少ないはず。
ここら辺は世間の常識から微妙に外すという、彼らのバンドとしての立ち位置を表わしてるのかななんて考えてしまう。

ここまでは楽曲とは関係がないけど、もちろん楽曲においても聴く人をとことん楽しませようという心意気を感じる。

Blur「Song2」を想起させるイントロから始まる「Own Civilization (nano-mile-met)」は90年代前半グランジ風のサウンド。
「あれ、ユニゾンのアルバムを再生したつもりだが・・・」となる良い違和感。
明らかに「7枚目(nano-mile-met)」と叫んでるのも彼ららしい遊び心。

王道のユニゾン節と言えるような「Dizzy Trickster」、アーバンでオシャレな「静謐甘美秋暮抒情」
目まぐるしいバンドサウンドの「MIDNIGHT JUNGLE」、今作の不思議ちゃん枠「フィクションフリークライシス」
優しいメロディが心地いい「夢が覚めたら (at that river)」

アルバム曲はギターロックを土台に置きながらも、ジャンルレスに様々な音を鳴り響かせる。
そして、今作で特に存在感を示してるのは「オーケストラを観にいこう」と「君の瞳に恋していない」だろう。

「オーケストラを観にいこう」はその名の通り、オーケストラが参加した曲。1番サビ前に一気にオーケストラが入ってくることでサビの華やかさが際立つ。

「君の瞳に恋してない」ではホーンの音が大活躍している。めちゃくちゃハッピーなサウンド。
このポップに振り切った2曲の存在が、UNISON SQUARE GARDENがいかに幅のある楽曲を作っているかを端的に示している。

とにかく色んなサウンドでの揺さぶりをかけてきて、まるでジェットコースターに乗っているような気分。
聴いててワクワクする。「次はどんな曲なんだろう? おー、こういう感じか!」なんて自分の中で期待と驚きが連続する。

音楽って「音を楽しむ」って書いて音楽なんだよな、と再確認させてくれる。

泣ける -歌詞の意味を考察-

今作の歌詞で、何度も出てくるワードがある。
それは「手」というワード。

差し出された手は噛み千切るけど

「Own Civilization (nano-mile-met)」

差し出された手は掴まなかった

「Dizzy Trickster」

アルバム冒頭の2曲では、差し出された手を拒否してしまう。

何気なく差し出され何気なく取ったチューインガムのフレーバー

「オーケストラを観にいこう」

「何気なく」が続けて使われていることで、受け取る気はなかったんですよってことが強調されているフレーズ。
「手」というワードは出てこないが、繋がりを感じる。
一応、突然だったので受け取ってはみたものの。

両手にあった景色が零れてしまう

「静謐甘美秋暮抒情」

中盤のこの曲では、やはり手で掴んでいたものはこぼれ落ちてしまう。

しかし、アルバムが進んでいくにつれて段々と変化していく。

当然手ぶらじゃ世の中は渡れない 肝命じます

「フィクションフリークライシス」

何も手に持ってないと、世の中を渡れないと考える。そして。

3sec お手をどうぞ、right?

「10% roll, 10% romance」

照れながら手を握ったら

「10% roll, 10% romance」

こちらから、手を差し出し、相手と手を握る。

ちょっと信じてみてはくれませんか
保証がないのは本当だけど
僕の手を握っていいから

「君の瞳に恋してない」

アルバムラストを飾るのがこのフレーズである。自信はなさげだけど、相手を積極的に受け入れている。
ちなみに、前作「Dr.Izzy」のラストのフレーズがこちら。

偉そうなやつ勘違いなやつ
全部記載から除外してエンドロール

「Cheap Cheap Endroll」

まるで正反対。排除発言のようだ。
前作から今作に至るまでの一連の変化がそのまま、UNISON SQUARE GARDENというバンドの心情の変化だと思ってしまうのである。

「シュガーソングとビターステップ」のヒットで、新規ファンの拡大に繋がったことは確か。
バンドとしてファンが増えることは良いことだと思う。
ただ、「良い曲を作って、お客さんの前でライブをする」のが最も大切だと考えている彼らにとっては、メディア露出の増加や次なるヒット曲への期待は迷惑なものだったのだろう。

それが前作や今作前半の歌詞に表れてるのだと思う。
でも、「One roll, One romance」ライブツアーを通じて、お客さんの前で曲を披露することが彼らのモードを変えた。
いままで通り、普段通り、活動していけば問題ないという確信を手に入れる。

ライブに行って曲を演奏する(=手を差し出す)、受け取るかどうかはあなた次第、というバンドの原点に立ち返ったのである。
ここまで来るのに色々な葛藤があったんだなと想像すると、どうしても涙腺が緩んでしまう。

「かくして万事は気分の仕業」

これは今作の帯に記載の一節。少し分かりやすくすると「こうして、全ての物事は気分次第」になるのかな。おそらく「MODE MOOD MODE」の意訳。

「喜怒哀楽」、どの感情が欠けたって私たちの生活は成り立たないと思う。
でも自分は、「喜」や「楽」がちょっとだけ多いのがいいな。

「怒」を「喜」へ。「哀」を「楽」へ。感情のモードを変えてくれる手助けに。
騙されたつもりで聴いてみてはいかがでしょうか。

甘い一瞬に騙されて?

「君の瞳に恋してない」

収録曲

1.Own Civilization (nano-mile-met)
2.Dizzy Trickster
3.オーケストラを観にいこう
4.fake town baby
5.静謐甘美秋暮抒情
6.Silent Libre Mirage
7.MIDNIGHT JUNGLE
8.フィクションフリークライシス
9.Invisible Sensation
10.夢が覚めたら (at that river)
11.10% roll, 10% romance
12.君の瞳に恋してない

スポンサーリンク
レクタングル広告大
レクタングル広告大

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする