Syrup16g

Syrup16g「delayed」

投稿日:2014年8月15日 更新日:


Syrup16g「delayed」(2002)

~彼らがやるから落ち着くんだ~

前作「coup d’Etat」から、3か月ぶりという短いスパンで発売されたメジャー2ndフル。
前作では攻撃的なモードだった彼らだが、今作は比較的穏やかな雰囲気。まさに前作とは「静」と「動」の関係。
そしてこのアルバムには、彼らのキャリアに輝く名曲「Reborn」が収録されている。
美メロ満載のこのアルバム。あなたは「coup d’Etat」とどちらが好きですか?

美しいグッドメロディに自虐的な歌詞が乗っかる「センチメンタル」
空間系のギターサウンドが切ない雰囲気を醸し出す。

「でも心が痛い たまに届かなくて ひどいときは泣いて いいね もう」

「たまに」届かなくてか・・・。しょっちゅう届かないんだけど。

無気力に世界が素晴らしい事を歌う「Everything is wonderful」
ノイズのような音も聞こえ、サイケデリックな雰囲気。
終盤の、ドラム中畑さんのシャウトが聴き所。

美しいアコギの音色が印象的な名バラード「Reborn」
この曲はミスチル桜井さんの別バンド Bank Band にカバーされている。

「昨日より今日が素晴らしい日なんて わかってる そんなこと当たり前の事さ」

暗い曲が多い彼らが、こういう明るいメッセージを歌うと、凄く胸に刺さる。
僕自身、Syrup16gを知るきっかけとなった曲なので、凄く大切な楽曲。

BUMP OF CHICKENの藤原さんがコーラスに参加している「水色の風」
スローなテンポとやるせない歌詞が特徴の楽曲。
藤原さんコーラス上手い。BUMPでの歌声とはまた違った良さ。

明るくカントリー調なギターフレーズが印象的な「Anything for today」
「何も無い」という歌詞が、明るめの曲調とは対照的。

歌メロをなぞったベースラインが素晴らしい「サイケデリック後遺症」
言い忘れてたけど、このアルバムからベースがキタダマキさんになった。

「開かないドア 転がった星 地上に咲く花 悲しいメロディ」

「開かない」ドアも、「転がった」星も、どちらも役目を果たしていない。
一方で、「地上に咲く花」はしっかりと役目を果たしている。この対比が見事。

静かなメロディとサビのファルセットが印象的な「キミのかほり」
一度、ハマっちゃうと抜け出せない恋愛を歌った?歌詞。
なんとなく、Syrup16gの音楽性との共通点を感じる。

淡々と歌う感じが浮世感を醸し出す「Are you hollow?」

「常識の範囲で 君は今でも充分異常だから」

何をもって常識と捉えるかで、異常かどうかの判断は変わるよね。
まあ、五十嵐さんが言うなら異常なんだろう。

このアルバム唯一のアップテンポナンバー「落堕」
前作の「天才」、「空をなくす」のようなギターロックサウンドではなく、サイケデリックなアレンジになっている。

「人間嫌いのふりして 本当に嫌いだったりして」

五十嵐さん、あなたはどうなんでしょうか? ちなみに、僕は人間好きです。

なんとも包容力のあるサウンドに、ダウナーな歌詞がマッチしている「愛と理非道」
淡々としたサウンドが、このアルバムを象徴する一曲。
タイトルの付け方が五十嵐さんらしい言葉選び。
この曲の後、シークレットトラックとして「Reborn」のアコースティックVerが収録されている。

とても穏やかなアルバム。「落堕」を除き、ミドル~スローテンポの楽曲ばかり。
前作がとても攻撃的な作品だったので、その反動だろうか。
ただ、アルバムの完成度としては疑問がある。
全体的に穏やかな曲調ということで、統一感はあるが、曲順に不満。
「Reborn」はラスト付近に持ってきた方が良かったのでは。3曲目にしてクライマックスを迎えてしまっている。

落ち着いたアルバムなので、初めて彼らを聴く人でもとっつきやすいのでは。
歌詞も前作は毒吐きまくりだったのに対し、救いがあるというか、優しいので受け入れやすいと思う。
しかし、このアルバムだけではSyrup16gの魅力を十分に伝えることはできない。
できるなら、前作「coup d’Etat」とセットで聴いてほしい作品。
そうすれば、Syrup16gがいかに二面性を持つバンドなのか知ることができるはずだ。

① センチメンタル
② Everything is wonderful
③ Reborn


④ 水色の風
⑤ Anything for today
⑥ サイケデリック後遺症
⑦ キミのかほり
⑧ Are you hollow?
⑨ 落堕
⑩ 愛と理非道

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著者:S.S
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