Syrup16g

Syrup16g「COPY」

投稿日:2014年5月16日 更新日:


Syrup16g「COPY」(2001)

~16gぐらいがちょうどいい~

2008年に解散した3ピースバンド Syrup16g のインディーズ時代のフルアルバム。
僕の音楽人生に大きな影響を与えたバンドの一つで、解散した今でも好んで良く聴いている。(2014年再結成!)
彼らと言えば暗いとかネガティブという印象が強いけど、本質はかなりポップなバンド。
そんな彼らの最初のフルアルバム。名盤です。

①は淡々と始まり、気だるそうな五十嵐隆のボーカルが乗ってくる。
歌詞は言葉数が少ない。基本的に

「She was beautiful」

と言っているだけ。新人バンドにしては達観しすぎている。

②は激しめのギターストロークから始まる一曲。
冒頭の歌詞が、

「本気出してないままで終了です」

忘れずに言っておきますが、このアルバムは彼らの1stフルアルバムです。

「その部屋の窓から見えるのは すべてはもう無効の日」

確かに暗い歌詞ですが、まだ序の口。

③はギターロックバンドとしてのポテンシャルが垣間見える彼らの代表曲。
疾走感あるサウンドとは反対に、心に突き刺さる歌詞が連発される。

「君に言いたいことはあるか そしてその根拠とは何だ」

というフレーズから始まり、

「涙ながしてりゃ悲しいか 心なんて一生不安さ」

と続く、僕がおかしいわけではない。みんな心に不安を抱えているんだと安心する。
次のフレーズも強烈、

「君に存在価値はあるか そしてその根拠とは何だ」

この問いにを即答できる人間になりたい。
ライブではグダグダになるギターソロも音源では格好いい。

④は彼らのポップな一面が垣間見える曲。

⑤は不穏なギターストロークで始まる。
何といってもサビの、

「君は死んだ方がいい」

というフレーズのインパクト。君とは言っているが、自分に対して言っているように思う。

⑥はファンの間で人気のある曲。

「もしも僕が犬に生まれたなら それでもう負け」

というフレーズから始まり、言葉数の少ないサビが印象的。

「また国家予算内で死ぬの」

どうしたらこんな歌詞が書けるんだろう。

⑦は世界を変えることはできないと歌う。

「広い普通の心をくれないか」

普通の心ってどんな心なのか。五十嵐隆の内面をえぐった歌詞が刺さる。

⑧はこのアルバム最速のナンバー。言葉遊びが光る。

⑨は比較的軽快なサウンドの楽曲。

「多分楽したいのです これからもしたいのです 誰よりもしたいのです 惜しみなくしたいのです」

どんだけ楽したいんだよと思わずツッコミをで入れたくなる。

⑩はこのアルバムのラストナンバーでミドルテンポの落ち着いた楽曲。

「土曜日なんて来るわけない」

土曜日って一週間の中で最も安らげる曜日だと思うんだけど。
土曜日が来なかったら、死んでしまうかもしれない。そう考えると、凄い曲だなこれ。

ミドルテンポの曲が多く、早い楽曲は③と⑧ぐらい。それもあり、③の名曲っぷりが強調されている。
Syrup16gというバンドは、ボーカル五十嵐隆のネガティブだが、現実を真正面で受け止めた歌詞に特徴がある。
暗い歌詞を妙に癖になる声で歌い、これまた妙に耳に残るポップなサウンドで鳴らすのがSyrup16gである。

おそらく拒絶する人もいると思うが、聴き手の精神状態とマッチすれば一生もののバンドになる。
少なくとも僕は一生聴き続けるし、彼らの復活を心から望んでいる。

Syrup16gの最高傑作は次作の「coup d’Etat」だと思っているけど、このアルバムも全く劣らない。
このアルバムはSyrup16gがどんなバンドか知るのには最適な一枚。

最後に五十嵐さんに一言、
こんなにオリジナリティにあふれたアルバムのタイトルが「COPY」って、自虐にも程があるよ。

 

① She was beautiful
② 無効の日
③ 生活


④ 君待ち
⑤ デイパス
⑥ 負け犬

⑦ (I can’t)change the world
⑧ Drawn the light
⑨ パッチワーク
⑩ 土曜日

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著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

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