SHISHAMO

SHISHAMO「SHISHAMO4」

投稿日:2017年3月25日 更新日:


SHISHAMO「SHISHAMO4」(2017)

~歌の勝利~

2013年メジャーデビュー、3人組ガールズバンドの4th。

ポップスの生命線は「歌」である。このアルバムを聴いて確信した。

歌っていることは初期から変わらない。「ボーイミーツガール」ないし「ガールミーツボーイ」を軸とした詞。
若い男女(特に高校生)をターゲットにしている。今作も基本的にはこの路線。

音楽的にも、ホーン等の導入はされてるけど軽快なギターサウンドをメインとしている点は変わらない。
しかし、大きく成長したのがボーカル宮崎朝子の表現力。

個人的にボーカルはいかに感情を声に乗せるかが、勝負だと思っている。
ただ上手く音程を合わせるだけだったら、ボーカロイドにでも任せておけばいい。
人間が歌っているのだから、歌い手の気持ちが伝わるような歌唱をしてほしい。

その点今作の宮崎朝子の歌は素晴らしい。些細なところに表現が行き届いている。
例えば、アルバム冒頭の「好き好き!」ではサビ終わりに「イエ―」というフレーズがある。
この言い方が他の部分とは違い、凄く気だるそうなのだ。何かを諦めたような感じがする。

秀逸だなと思ったのは、「恋に落ちる音が聞こえたら」。こちらもサビ終わりのフレーズ。

「ねえ、やっとこっちを見てくれたね」

ここの歌い方に惹きこまれた。正直、恐怖も覚えるぐらい。
怨念が混じったかのような低い声で歌われるこの部分で、「絶対、面倒な女だ」と思ってしまった自分もいるし、
一方でドキッとしてしまったのも正直なところ。恐るべし、宮崎朝子。

他にも「終わり」サビ部分の切迫感詰まった息継ぎや、
「きっとあの漫画のせい」の「笑わせないでよ」の部分とか聴きどころが多い。
いつどこでこの表現力を身につけたんだろうか。大人になったということか。

大人になったといえば、ラストの「明日も」が、バンド初のわかりやすい応援歌になっていることでも感じる。
日々の生活がが上手くいかないというのは誰しも思っている。だが、大人は前に進んでいかなければならない。
折れてはいけない。一見、暗くなりそうな歌詞も、明るいサウンドに乗せて歌う所が彼女達らしい。

このアルバムが出て、過去の作品を聴きなおしてみた。
1st、2ndは自分には合わなかった。若すぎる。聴いてて恥ずかしくなってしまう。もう少し若い時に聴けてればと。
3rdは今作に繋がる部分があったけど、やはり今作が「歌の強さ」では抜けている。

アルバムごとに方向性を変えるバンドもいるけど、彼女達のように着実に成長が窺えるのはより良い。
このままナンバリングタイトルを続けて、「SHISHAMO10」ぐらいまでやり続けてほしい。

1. 好き好き!


2. すれちがいのデート
3. 恋に落ちる音が聞こえたら

4. 終わり
5. 恋
6. 音楽室は秘密基地
7. きっとあの漫画のせい

8. メトロ
9. 夏の恋人

10. 魔法のように

11. 明日も

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著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

邦楽アルバムの感想とコラム記事を中心に書き殴っていきます。
特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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