一曲入魂

【一曲入魂】サカナクション – アイデンティティ

投稿日:2017年5月27日 更新日:

サカナクション3枚目のシングルにして、ライブでの一体感が凄まじいこの曲。
不思議な曲だ。めちゃくちゃ力強い推進力を持つのに、冷静に聴いたら歌詞は絶望感ある。
こういうのを躁状態というのだろうか。でも、この曲の無敵感好きだ。

昔は自分のことをある程度優秀な人間だと思ってた。
勉強をさせれば周りの人よりは「少しは」できる。
スポーツをさせれば周りの人よりは「少しは」できる。

しかし、年齢が上がっていくにつれて違和感を覚えた。

「なにも得意なことがない」

「少しは」できると思っていたことも、所詮自分が見えていた人の中での話だ。
日本という国にはたくさんの人がいる。

自分より「少し」どころではなく、圧倒的に優秀な人間がいくらでもいる。
人より少しだけ優れているだけでは金にもならない、食っていけない。

周りと比較してしまえば、自分よりある分野では下の人間もいるだろう。
逆に、自分より上の人間もいくらでもいる。
もう、比較し始めたらきりがない。きりがないのに比較してしまう。

きりがないことをし続けるのは疲れる。精神を摩耗させる。
だから、自分にしか出来ないこと=自分らしさを探し始める。
答えのないものを探し始める。

でも気付いてしまったんだ、自分にしか出来ないことなんて私には無いと思う。
仕事で活躍したとしても、後輩が入ってきて何年もすれば自分がしていた仕事なんて簡単に奪われる。

もう99%受け入れるしかない。自分の代わりならいくらでもいる。
ただ、それでも何かしら自分にしかできないことはないかと1%の期待を込めて探し求める。

「どうして まだ見えない 自分らしさってやつに朝は来るのか?」

当時のサカナクション山口一郎もそんな心境だったのだろうか。
自分たちにしか出来ない音楽を。自分たちにしか鳴らせない音を追い求めていたのかもしれない。
よくぞ吐き出してくれた。

そして、この鬱屈とした想いをエンターテイメントとして音楽に昇華させてくれてありがとう。

「どうしても叫びたくて 叫びたくて 僕は泣いているんだよ」

答えのないものを探し続けるのは苦しい。泣きたくなる時もある。
でも、人生なんて攻略法のないロールプレイングゲームみたいなものだ。

いくらでも回り道して、自分だけの解答を見つけ出していきたい。

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著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

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特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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