Mr.Children「REFLECTION{Drip}」

REFLECTIONのジャケット写真
Mr.Children「REFLECTION{Drip}」(2015)

2015年6月4日発売、18枚目のフルアルバム。

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感想

前作「[(an imitation) blood orange]」はストリングスアレンジの楽曲が目立ち、バンドとしてのダイナミズムを失っていたのに対し、今作は力強いバンドサウンドが聴ける楽曲が多い。

特に前半3曲と、「fantasy」以降の後半の楽曲は若々しいサウンドで、90年代のミスチル楽曲を思い起こさせた。

おそらく、バンドサウンドが戻って来たというだけで、一定の評価を手に入れたアルバムだと思う。

曲に力強さが増したことも影響しているのか、桜井が書く歌詞にも力強さが増している。

基本的に、前を向いたメッセージ性の強い楽曲が多く、歌っていて楽しそうだなと。
所々、メッセージ性の強い歌詞もあるのは、国民的バンドが歌わなければ届かないという使命感からか。

ちょっと力み過ぎの曲もあるのは気になるが。(「REM」とか)

しかしながら、数多くのファンの期待を背負っているMr.Childrenというバンドを動かすのはとても大変だなと思う。

ここ最近では、出来の良いアルバムであるのは間違いないが、まだ上があるんではないかと期待したい。
中盤のバラード曲に、過去の名バラード「HERO」、「Sign」級の楽曲があればと思ってしまうのも確か。

この作品は完全にセルフプロデュースではない。

小林武史の手を完全に離れたアルバムをいつかは聴きたいなと。

そのいつかが来た時が、バンド「Mr.Children」が完成する時ではないかと。

いずれにしても、2015年の音楽シーンを語る上で外せない一枚には違いない。

全曲感想

1.未完

いきなりシングルカットできるレベルの名曲が耳に飛び込んでくる。

力強い桜井さんのボーカルに応えるようなバックの演奏。
ミスチルがバンドであったことを思い出した。

いっそ飛べない鳥の羽なんか もがれちまえばいい

「未完」

サビの印象的な歌詞のフレーズ。

ラストサビの「自由」3連発が胸に迫る。

2.FIGHT CLUB

アップテンポなギターロック、こんなミスチル待ってましたって人もいるのでは。

ブラット・ピット出演の「ファイト・クラブ」をモチーフに作られた楽曲。
間奏がしっとりしたギターソロなのが残念、疾走感のある楽曲なんだからギターソロで加速させてほしかった。

3.斜陽

レトロな感じの印象的なイントロが耳に残る。

いままでのミスチルには無かったようなタイプの楽曲で新鮮。
メロディは比較的平坦でありながらも、アコギのストロークが力強く、前に進む推進力を感じる。

4.Melody

今作では最もミスチルのパブリックイメージ近い曲だなと。

要はコバタケ色が強いということで、今作では浮いている。
(小林武史は今作も数曲プロデュースしている)

こういう路線が好きなファンもいると思うけど、せめて{Naked}の方に収録してほしかった。

5.蜘蛛の糸

ピアノイントロから始まるということで、こちらもコバタケプロデュースの曲。

バラード曲であれば、彼のピアノは良い働きをしてくれる。
間奏の物寂しいピアノの音色は美しい。

「運命の赤い糸」とはよく言うけど、恋愛曲に「蜘蛛の糸」とつけるセンスが桜井さんらしい。

6.Starting Over

2015年7月公開、細田守監督の映画「バケモノの子」の主題歌に起用された。

ミドルテンポの楽曲に乗っかる、強いメッセージ性を帯びた歌詞が特徴的。

肥大したモンスターの頭を
隠し持った散弾銃で仕留める

「Starting Over」

たくさんの子供が見るであろう、アニメ映画主題歌の冒頭歌詞がこれである。
サビは凄く前向きな歌詞なのに、所々狂気すら感じるフレーズが入っているのが印象的。

7.忘れ得ぬ人

バラード曲だが、コバタケプロデュースではない。

曲名通り、過去の恋愛に囚われる男の歌。
間奏に短めではあるがギターソロが入っている。

ミスチルのバラード曲でギターソロを聴いたのはいつ以来だろうか。

8.Reflection

アルバムのタイトルトラック。
桜井がピアノ演奏して作成した、インスト曲となっている。

9.fantasy

CMで耳にした人も多いであろう、今作屈指の名曲。

イントロが過去の名曲「innocent world」をなんとなく思い出させる。
サビの開放感が気持ちいい。
キーが高いので桜井の喉が心配になるが。

想像を超えた猟奇殺人さえ今や日常 ドキュメンタリー
いちいち心動かないよ 免疫ができ右から左

「fantasy」

2番Aメロのこの歌詞や、Cメロの歌詞に現代に対する込めたメッセージを感じる。

10.REM


今作で最も攻撃的で、桜井さんの絶唱が印象的な楽曲。

過去のアルバムでいうと「DISCOVERY」に入っていそうな、エレクトロサウンドが印象的。

11.WALTZ

一部で、「就活生殺し」と話題になった、前曲に引き続きダークな「WALTZ」

一人そしてまた一人 はじかれて
繰り返される審査(テスト)に離脱者は増える

「WALTZ」

とか、

柔軟なとこが長所さ 履歴書のとおり
違う視点で見れば自分がないだけ

「WALTZ」

ここら辺の歌詞か。
数年前に聴いてたら、刺さったかもしれない。

12.進化論

ギターイントロ→ピアノという入りが従来とは逆で、新鮮なバラード。

変わらないことがあるとすれば
皆 変わっていくことじゃないかな?

「進化論」

今作で一番グッときた歌詞。
年を取れば取るほど、この歌詞の意味を痛感する。

13.幻聴

バンドサウンドがしっかりと噛み合ったイントロから、明るいメロディが心地よい。

そんなにテンポの速い楽曲ではないけど、勢いを感じるのはドラムが力強いからか。
ラストのコーラスに希望を感じる。

14.足音 ~Be Strong


月9ドラマ「信長協奏曲」の主題歌になったシングル曲。

この曲は彼らにとって初のセルフプロデュースとなった。
そういう意味でも大きな一歩を踏み出した重要な曲。

シングルで聴いたときはピンとこなかったが、ラストで聴くとクライマックス感があって悪くない。

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