【ASIAN KUNG-FU GENERATION】アルバム「Wonder Future」全曲感想

Wonder Futureのジャケット写真

ASIAN KUNG-FU GENERATION「Wonder Future」(2015)

2015年5月27日発売、8枚目のフルアルバム。

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全曲感想

1.Easter/復活祭

泥臭いギターリフで始まるシングル曲。

Bメロを排除していきなりサビにいくという、彼らの楽曲では近年稀に見る疾走感。

何したっていいんだぜ 無視したっていいんだぜ

「Easter/復活祭」

ぶっきらぼうに歌うボーカルだが、そっと背中を押してくれるメッセージ性のある歌詞が良いですね。

2.Little Lennon/小さなレノン

ジョン・レノンの「イマジン」をイメージして書かれた楽曲。
「遥か彼方」とファンには嬉しい歌詞も。
さらに下記のような、シーンに投げかけるような歌詞もある。

五月蠅いんだよ 黙ってろよ お前

「Little Lennon/小さなレノン」

何やっても外野はとやかく言う。自分のやりたいことやらせろよって思っちゃいますよね。

3.Winner and Loser/勝者と敗者

曲名通り、勝ち負けとは何だと問いかける。

8ビートの軽快なリズムに乗せて、メッセージ性の強い歌詞が印象的。
間奏前には、最近の楽曲では聞けなかった後藤さんのシャウトもある。

4.Caterpillar/芋虫

capitalism(意味は、資本主義)について歌った曲。

個性なんて必要ないさ
家畜のように飼い慣らす

「Caterpillar/芋虫」

日本の企業勤めの人なら分かると思うんだけど、自分が居なくなっても変わりなんていくらでもいるんだよねと。
そうなると個性のない従順な家畜を企業は求めるわけで。

そんなことを考えてしまう、痛烈な歌詞。

5.Eternal Sunshine/永遠の陽光

アジカンらしいオクターブ奏法を使用した、エモ―ショナルなミディアムチューン。

出会った喜びも亡くした悲しみも
月日が流してしまったんだよ

「Eternal Sunshine/永遠の陽光」

冒頭4曲が批評性を帯びたメッセージ性のある楽曲だからか、ふと聞こえるこのような歌詞が胸に響く。

6.Planet of the Apes/猿の惑星

名曲「未来の欠片」を思い起こさせるイントロから、勢いそのままに突っ走る曲。

「猿の惑星/創世記(ジェネシス)」からインスパイアされた楽曲とのこと。
エフェクトをかけて潰したボーカルが、全体に漂うダークな雰囲気を作り上げている。

7.Standard/スタンダード

カメラのCMに起用され話題となった。

再録音され、音が太くなりパワフルな楽曲に仕上がっています。

8.Wonder Future/ワンダーフューチャー

アルバムタイトルにもなっている。

今作屈指の泣きメロが美しいミディアムチューン。

霧の先にどんな未来が待っていたって
もう漕ぎだしてしまったんだな

「Wonder Future/ワンダーフューチャー」

これからどんな未来が待っているか分からない。
でも、受け入れるしかない。

生きている以上、嫌でも前に進まなければいけないのだから。
アジカンらしく現実をしっかり見据えた歌詞が素晴らしい。

9.Prisoner in a Frame/額の中の囚人

美術館をテーマにして作られた曲。

一瞬、音を切る間奏に工夫が凝らされている。
全体的には不穏な雰囲気だが、サビは開放感が溢れる。

10.Signal on the Street/街頭のシグナル

ブリッジミュートを用いた疾走感溢れるギターリフが格好いい。

サビの伊佐知さんのドラムが楽曲全体の勢いを加速させる。

11.Opera Glasses/オペラグラス

ラストを飾るのは、ポップながらも複雑な展開が彼ららしい曲。

Cメロ(三回目のカーテンコール~)の幸福感がツボ。

不安で押しつぶされそうになったら思い出してよ
埃を被ったオーディオ

「Opera Glasses/オペラグラス」

嫌なことがあったりしたら、このアルバムを再び手に取り聴くだろう。
未来に想いを抱きながら、なんて。

最後に

2015年は若いバンドの台等により、バンドシーンが盛り上がりを見せている。
そんな中、かつてシーンを作り出した4人組はこのような答えを出した。

「いい音を、いい環境で録る」

ASIAN KUNG-FU GENERATION という4人組しか出せない音を追及し続ける。
何年たっても、古く感じない王道ロックがここに。

このアルバムは楽器の一音一音が太い。

これは、Foo FightersのプライベートスタジオのStudio 606で録ったのが影響している。
ギブソンのレスポールの音がとても太く、レコーディング環境でこんなにも違うのかと驚いた。

確かにこんな音を出せるなら、ロックなアルバムを作りたいと思うのは当然かもしれない。

最近の楽曲では、ストリングスを使用しているものもあったが、今作は4人で出せる音に限定している。

そのせいか、若々しく力強いサウンドになっていて、初期の彼らが好きな方にはおすすめ。
だが、後藤さんも言っているように、このアルバムは1stアルバムをもう一度作ろうとしたものではない。
キャリアを経て、成長した彼らが今の時代背景にあった音と歌詞を詰め込んだ作品である。

このアルバムは普遍的だ。
流行に流されることなく長く愛されることになるだろう。

「”Simple” is “best”」このような表現があるが、まさにそんなアルバム。

一度シーンを作り上げた4人組が、このような王道ロックを鳴らしたことの重要性を私たちは後に知ることになるのでは。
未来の子供たちに、日本のロックはカッコいんだよと伝えるのに最適な教科書的傑作と言わせていただきます。

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