くるり「THE PIER」

THE PIERのジャケット写真
くるり「THE PIER」(2014)

2014年9月11日発売、11枚目のフルアルバム。

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感想

とても自由な音楽だ。

あらゆる国の音楽を取り入れ、自分の物にしてしまう。

いままで、様々な音楽を表現してきた彼らだからこそできる鮮やかな技。

くるりの飽くなき音楽への追及心が生んだアルバム。

前作「坩堝の電圧」が東日本大震災の流れを組んだ力作だった反動からか、今作は肩の力を抜いて楽しい音楽を作ることに注力した印象。

どの曲も悲壮感はない。幸福な音楽。幸福を鳴らし続けることは、ポップミュージックの役目だと思う。

その意味で、今作はくるりが鳴らしてきたポップミュージックの一つの到達点。

素晴らしいアルバムであるのは間違いないが、前評判が異常に高すぎたのでハードルが上がってしまったのも事実。

2ndフルアルバムで使われたキャッチフレーズ「すごいぞ、くるり」という言葉一言で片づけるのはどうなのか。

最高傑作ではないと思うけど、2014年を代表するアルバムであることは疑いようがありません。

全曲感想

1.2034

RPGのBGMとして使われていそうなインスト曲。

長い長い旅の始まりを告げるような壮大なサウンド。

2.日本海

前曲に続いて始まるのは「日本海」、まず海原を超えようということだろうか。

「なう」の二文字だけで構成された大サビ。このセンスが岸田っぽい。

3.浜辺にて

アラビアンテイストの曲。
途中で挟まれる男性コーラスがやたら荘厳。

誰もいない浜辺に
さよならするために

「浜辺にて」

旅に出るには、海を渡らなければならない。それまで出会ってきた人達と別れを告げなければならない。

「誰もいない」というところに、くるりというバンドが前例のない道を歩んできたバンドということを表わしているというのは気のせいか。

4.ロックンロール・ハネムーン

配信限定シングル。

懐かしい歌謡曲を思い出させるサウンド。自然と耳に馴染むポップさ。

窓の外には 思い通りになる世界と 青い芝生が
僕らを手まねきしているようだ

「ロックンロール・ハネムーン」

異国への憧れ。ロックンロールという世界共通言語を持ち歩き、世界を旅する今作を代表する一曲。

5.Liberty&Gravity


リード曲で、今作を代表する多国籍音楽。

複雑な曲構成ながらも、引っ掛かるフレーズを随所に入れてくるあたりが流石。

日本の祭り的でもあるし、中東感もある。要はごちゃ混ぜ、フリーダム。

しかし、全体を包む祝祭の雰囲気はなんなんだろう?

本当に不思議な曲だ。

6.しゃぼんがぼんぼん

ハードなギターで突き進むパンキッシュな曲。

狂ったように暴走する。謎の疾走感。

7.loveless

変な曲が続いたので、スタンダードなナンバーを投入といったところか。

「チオビタ・ドリンク」のCMソングとして耳にしたことがある人も多いはず。

悲しみの時代を 生きることは それぞれ
例えようのない 愛を生むのさ

「loveless」

普遍性を持ったポップソング。これもまた、くるりの音楽的側面。

8.Remember me


現代のOASIS「Whatever」といった感じか。

美しいトランペットの音色が光る、泣きのバラード。

すべては始まり 終わる頃には
気付いてよ 気付いたら
生まれた場所から 歩きだせ

「Remember me」

ここのフレーズのメロディが美しすぎる。涙腺を刺激する。

9.遥かなるリスボン

ポルトガル民謡を用いた楽曲。

なんというか、コーヒーをカップに注いで、飲みながら聴きたくなる曲。

10.Brose&Butter

中東の雰囲気を強く感じる。

心地よいリズム。不思議な語感。

前曲とセットで聴くと、まるで外国に住んでいるような気がしてしまう。

11.Amamoyo

軽快なカッティングが鳴り響く曲。

エフェクトがかかっている早口の部分が何を言っているのか、全く聴きとれない。

勢いのあるサウンドなのだけれども、浮遊感も感じるという、これまた不思議な曲。

12.最後のメリークリスマス

くるり流のクリスマスソング。

クリスマスソングらしい幸福感に包まれたサウンド。

しかし、タイトルから想像できるように悲しげな歌詞。

春になれば この街とさよなら

「最後のメリークリスマス」

クリスマスを舞台に別れを歌うという発想。

クリスマスはその年最後のお祭りみたいなもんではあるが。

13.メェメェ

羊?、ヤギ?の鳴き声がサンプリングされたインスト曲。

14.There is (always light)


サビで用いられる英語詞がくるりにしては新鮮。

軽快なロックンロールサウンドが特徴的なポップナンバー。

Love the life you live, Live the life you love
until we meet again
生きなければ

「There is (always light)」

困難な時代に愛と音楽で立ち向かう。

ロックバンドのあるべき姿なのかもしれない。

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