【BUMP OF CHICKEN】アルバム「FLAME VEIN」全曲感想

FLAME VEINのジャケット写真
BUMP OF CHICKEN「FLAME VEIN」(1999)

1999年3月18日発売、インディーズ時代の1stアルバム。

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全曲感想

1.ガラスのブルース

「ブルース」ということだが曲調はブルースっぽく無い、でも泥臭さや哀愁という意味ではそのジャンルが持つ音楽性に近いかも。

拙い演奏でも確かに伝わるものがあって、このバンドを多くの人が期待したくなる気持ちは凄くわかる。

「ガラスの眼をした猫」の歌ということで、初期の彼らが得意としていた物語調の歌詞。

この曲に出てくる猫は、何も特別なことをしていない。
飯を食ったり、歌を歌ったり、とにかく「イマ」を一生懸命生きている。

ポイントは曲名にもある「ガラス」、つまりは「壊れてしまうもの」

終わりが来ることを知っているからこそ、一生懸命になれる。

一見、ファンタジックな歌詞だけど、とても現実を見てるところに藤原の真面目さを感じてしまう。

2.くだらない唄

徐々に盛り上がっていくイントロに、静かだけど確かな熱量を感じる。

藤原基央のボーカルは喉で歌っていて、決して綺麗な歌声ではないけど、若者の必死さみたいなものを妙に感じるのはなぜだろう。

千葉出身の藤原基央が東京で一人暮らしを始めた頃に書いた曲とのこと。

大人になることへの抵抗代わりに、故郷の景色を絵で描き残す「僕」の歌。

個人的に面白いなと思ったのは、大サビの歌詞で「ひらがな」の割合が増えること。

おそらく、日付が変わって僕は「大人になった」けど、大人になりきれてないのを表現しているのかなと思ったり。

3.アルエ

「ギターの音はどうにかならなかったのか?」と言いたくなる雑な音作り。
でも演奏している側の楽しさは不思議と伝わってくる。

バンドで初めて音合わせをしたときの新鮮な感覚を呼び覚ますような勢いに満ちた曲。

「アルエ」⇒「R.A.」⇒「Rei Ayanami」⇒「綾波レイ」
ということで、アニメ新世紀エヴァンゲリヲンの登場人物「綾波レイ」に藤原が贈ったラブソング。

綾波のセリフだと思われる箇所が、すべて「カタカナ」になっている。
ガチで好きな人のこだわり方だ・・・。

4.リトルブレイバー

Bメロから入ってくる、ノイズがかったギターの異物感が凄い。

方向性としてはシューゲイザー的な要素を感じなくもないけど、狙ってというよりも天然でなっちゃった感じがする。

「リトルブレイバー」、直訳すると「小さな勇者」という意味ですね。

「日陰の花を日向に移したり」、「泣いている人に”とっておきの唄”を聴かせてあげる」という些細な行動で、勇者になるんだよと。

5.ノーヒット・ノーラン

曲名から勝手に連想しているだけかもしれないけど、曲調が「固唾をのんで試合の戦況を見守るスタンド客」の脳内で流れてる音楽っぽい。

緊張感あるAメロとサビでのワクワク感が、そんなイメージを沸き立てるんだと思う。

巷では、「ノーヒットノーラン」の意味を勘違いしていると噂の曲。
どうやら、「ノーラン=ノーホームラン」と勘違いしているという説が濃厚。

それはさておき、この曲に出てくる「スラッガー」を「ミュージシャン」に置き換えたら、聞こえ方も変わってくる。
ステージ上で自信満々に振る舞うミュージシャンも、不安と戦っているんだなと思ったりした。

6.とっておきの唄

音はとてもざらついているけど、不思議な優しさを感じるのは藤原が魅せるメロディセンスによるもの。

何となく、「ライブの本編最後から2曲目辺り」で演奏されそうな曲。

「リトルブレイバー」の歌詞に出てきた「とっておきの唄」がこの曲かな。

素直なラブソングで、BUMPの曲では珍しい。

「なんでもない歌でも、君のためだけに歌えば、とっておきになる・・・。」
うん、若い。

7.ナイフ

ギターの音作りは他の曲と同様粗いけど、イントロのフィードバックノイズは妙に綺麗に録音されているのが面白い。

聴き所としては間奏終了後に藤原が「せきをする」ところになるのかな、数年後に聴いて絶対恥ずかしくなるヤツだろこれ。

珍しく英詞が使われている。
「ココロのKNIFE」とかいうパワーワード。

所々で笑ってしまう歌詞もあるけど、とてもBUMP OF CHICKENの曲だなと思う。

そもそも「BUMP OF CHICKEN=臆病者の一撃」というバンド名なわけで。

この曲の歌詞に出てくる「強がってる僕」は臆病を隠すために虚勢を張っていて、それがBUMP自身のことをなんだろうなと感じてしまうからだ。

アルバム全体の感想

BUMP OF CHICKENの最初のアルバム。

音も小さい。
演奏も荒い。
当時の録音環境でも、もっと綺麗に録音できただろうと思ってしまうのは確か。

しかし、聴き入ってしまう不思議な魅力がこのアルバムにはある。

ありふれた言葉だけど、若い時にしか作れない「初期衝動」に満ちたアルバムだからかと。

彼らにとって代表曲となる「天体観測」の歌詞を引用するなら、「イマ」というほうき星のような作品。

「イマ」この瞬間にバンドで曲を作ることの楽しさや、音を合わせることの喜びが作品から溢れ出ている。

昔の方が良かったと言うつもりはないけど、この時にしか出せなかった音がこのアルバムにはあるのは確か。

「FLAME VEIN」=「炎の脈」
若き才能が燃えさかっている瞬間を味わえるアルバム。

完成度だとか、そういう理性の部分を抜きにすれば楽しめる。
ただ、音は良くないので再録した同アルバムを聴きたいと思ったり。

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