NICO Touches the Walls「QUIZMASTER」

2019年6月5日発売、7枚目のフルアルバム。

感想

NICO Touches the Wallsに対するこれまでの印象は「良いバンド、でも何か物足りなさも残る」というのが正直なところ。

1stフルアルバム「Who are you?」は好きでよく聴いた。やっていることはギターロックそのものなんだけど、少しガレージ感があって。「この人達はマニアックな音楽遍歴がありそうだ」なんて聴きながら思っていたりもした。

で、2ndフル収録「ホログラム」が人気アニメの主題歌になって知名度が上がり、4th収録の「手をたたけ」がCMで起用され、その頃からフェスではメインステージを務めるようになったって感じですかね。
そして、そのまま大人気バンドになった・・・。とまでは順調にいかなかった。(充分人気バンドだとは思うけど)

あと一段階段を上がれそうで上がれない。
2014年にベストアルバムをリリースした後は、その昇っている階段を一旦降りて、別の階段を登り始めたように思う。「天地ガエシ」なんかは階段を降りた結果の産物でしょう。バンドとしてのエゴ、つまりはルーツミュージック(天地ガエシで言えばカントリー)を上手く融合した楽曲に仕上がった。

また、アコースティックアルバム「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」もリリースして、バンドとしての地力を高める活動に力を注いでいった。

前置きが長くなったけど、今作「QUIZMASTER」の感想ここからです。

素晴らしいアルバム。ようやくここまで辿り着いたかという感激しました。

実はリリース前は少し不安もあったんですよ。というのも今作の前にリリースされている「OYSTER -EP-」と「TWISTER -EP-」があんまりピンと来なかったから。
特にそれぞれのリード曲である「Funny Side Up!」、「VIBRIO VULNIFICUS」が好きじゃなかった。サウンド的にごちゃごちゃして苦手だった。光村龍哉のボーカルが存在感あるものだから、サウンドは一歩引いた感じにしないと濃密すぎてくどくなっちゃうんですよね。

でも、2枚のEPで自分が引っかかった点が「QUIZMASTER」では見事に解消された。

1曲目「18?」を聴くとわかるけど、音数少なくしてボーカルが最大限に活かされるアレンジをしている。特にリードギターが隙間を埋めるようなプレイに徹していて、いままでの彼らとは違った印象。

他の曲も全体的に音数が少ないんですよね。「2nd SOUL?」はストリングスも入っていたりして、使っている楽器は多い。それでも、各楽器が出るところは出る。引くところは引いてバランスを上手く取っている。

その結果、元々定評のあった光村のボーカルがより際立つという。抑えるところはしっかり抑えるバンドサウンドに、表情豊かなボーカルが乗っかるという大人の雰囲気をまとうロックバンドに変身を遂げた。

ところで、このアルバムのテーマって何だろうって調べたら「人生は謎だらけ」がテーマだそうです。

アルバムタイトルが「QUIZMASTER」で全曲「?」が曲名に付いているという徹底ぶり。あと、歌詞も全曲「?」をどこかに入れているんですよね。2014年リリースのベストアルバムだと17曲中、「?」が歌詞に使われているのは7曲なので、明らかに今作は意識して使っています。

インタビュー記事で彼らが言っていたけど、「世の中わからないことがありすぎる」っていうのは本当にそうだよなと自分も思う。年を取っていけば自然とわからないことが無くなっていくと思っていたけど、全然そんなことは無い。わからないことが少しわかるようになったら、別のわからないことが出てくる。その繰り返し。

彼らもバンドを結成して15周年ということで、立ち止まって色々考える時期にきているのかな。なんて聴きながら思っていた。大人になるのも大変だ、でも悪くないな。

収録曲

1.18?


2.KAIZOKU?
3.マカロニッ?
4.ulala?
5.サラダノンオイリーガール?
6.MIDNIGHT BLACK HOLE?
7.3分ルール?
8.別腹?
9.2nd SOUL?
10.bless you?

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