My Hair is Bad

My Hair is Bad「narimi」

投稿日:2016年10月16日 更新日:


My Hair is Bad「narimi」(2014)

~突き刺さる等身大の詞~

彼ら初のフルアルバムにして名盤。
直球のギターロックに名バラード、椎木知仁のソングライティングが冴えわたる。

1.アフターアワー

一曲目は歌詞通り全速力で、いま、この時を駆け抜ける青春曲。

「僕ら最高速でいつだって 走れるわけじゃないんだって」

掻き鳴らされるギターとともに歌われるこのフレーズは、大人になってしまった自分に刺さる。
出だしから全力、アルバムに期待を抱かさせる役割をしっかり果たす。

2.元彼氏として

軽快なギターリフと四つ打ちダンスビートが耳に残る楽曲。
女性が聴いたら引いちゃうんだろうなという詞は、逆に言えば男性には引っ掛かる。
椎木知仁にしか書けない楽曲だよなーと、インパクト大。

3.ドラマみたいだ

キャッチ―なメロディを生み出すのは特徴的なAメロの早口に乗っかる詞。

「裏切って会ってヤッてもう 切るとこないから表も切って」

このフレーズを聴いたとき天才だと思った。
ちょっとだけロマンチックだが、基本的には生々しい現実。このバランス感覚。

4.白熱灯、焼ける朝

切ない歌詞が印象的、サビは疾走感あるが、イントロはゆったりめ。
前作「昨日になりたくて」にも通じる、「君」がいた過去について歌う。

5.彼氏として

「元彼氏として」と対になったタイトルだが、歌詞を読むと恋人関係はいずれ崩壊するだろうなと思う。

「三角形が割れた瞬間 僕は四角になった」

サビのこの歌詞は独特の表現。意味を測りかねるので誰か教えてください。

6. 夜行バス

丁寧に歌いあげるバラード曲。
冒頭の歌詞から、「君」は電車に乗って帰っていったんだろうが、自分は夜行バスで。
なぜ一緒に帰らないとか想像しだしたら、切ないな。歌詞通り、悲しいな。

7.マイハッピーウェディング

前曲の余韻をブチ壊す、轟音ギターリフ。
ギターロックという、現れては消えていくジャンルの中で、マイヘアは生き残っていくだろうなと思える楽曲。
その理由は韻を踏んだ歌詞。ラッパーとしてもやっていけるんだろうな、なんて思ってしまう。

8.友達になりたい

「病い垂れに隠れて春を喰らう」

別の曲では、「ディズニー」、「インスタ」とか若者っぽい言葉を使いながら、たまに詩人みたいなこと言いだす。
椎木知仁の言葉の引き出しの多さに驚く。

9. 教室とさよなら

これは、実体験だろうか。であれば学生時代はそんなに、リア充というわけではなかったんだろう。
それこそ、

「不良でもない 優良でもない」

学生だったんだろう。でも、大体の人がそうだろ? なんでどっちかに分けられないといけない?

10.ふたり

切なさという観点でいったら、この曲はアルバム随一。
何度も繰り返されるサビのフレーズは、身勝手だし、どうしようもないんだけど、男ってこうなんだよ。
ほんと、馬鹿みたいなんだけど仕方ない。名バラード。

11.18歳よ

軽快なメロディに乗せて、時の移り変わりを憂う。
なぜか「悲しい」僕と、「優しい」風。この対比が美しい。

12.優しさの行方

「剥がされて痛いのは 誰より自分が可愛いからさ」

優しさは他人のためなのか、違う。自分が傷つかないために優しくしてるのだと思う。
身を削って音楽を奏でるバンドだなと思った一曲。

前作から確実に成長している。愚直なまでのギターロックはサウンド的には斬新ではない。
しかし、椎木知仁が書く生々しいかつ、韻を踏んで軽快に耳に突き刺さる詞は、聴く者を飽きさせない。
全国各地をライブし、徐々に知名度をあげている彼ら。ギターロックの次世代を担うのは間違いない。

1. アフターアワー


2. 元彼氏として

3. ドラマみたいだ

4. 白熱灯、焼ける朝
5. 彼氏として
6. 夜行バス
7. マイハッピーウェディング
8. 友達になりたい
9. 教室とさよなら
10. ふたり
11. 18歳よ
12. 優しさの行方

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著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

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特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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