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lovefilm「lovefilm」

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lovefilm「lovefilm」(2016)

~必然の出会い~

活動休止したthe telephonesのメンバー二人を中心に結成されたlovefilm。初々しい1stフルアルバムをレビュー。

2015年11月3日のライブを持って、活動休止となったthe telephones。
フロントマン石毛輝の次の一手に注視していたところ、新しいバンドを組むという情報が飛び込んでくる。

驚いたのは、ボーカルにモデルであり女優の江夏詩織を抜擢したこと。
バンド経験のない江夏と、百戦錬磨の経験をもつ石毛。どういう音楽になるのか楽しみにしていた。

生でlovefilmを初めて観たのは、2016年5月21日のMETROCK2016。そこで私は確信する。
アルバムは良い作品になる。そして、このバンドは江夏詩織がいなければ成立しないと。

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楽曲の話

the telephonesでやったような、聴き手の身体を嫌でも揺らすようなダンスミュージックではない。
若干チープと言ってしまってもいい、生の質感が伝わるバンドサウンドをシンセの音で味付けをした感じ。
石毛いわく「90’sリバイバル的なもの」をやりたかったとのこと。確かにインディーロックっぽいサウンド。

海外で流行っている(流行っていた)音楽を独自解釈してバンドでやるという手法は、the telephonesと同じ。
もっといろんな音楽を知ってほしいという想いがあるんじゃないかなと、個人的には感じている。

シンセが要所で鳴ることで、キラキラしたギターポップになっている曲が多い。
石毛の弾くギターフレーズがチャーミングで耳馴染みがよく、ギタリストとしての引き出しに驚いた。

あまり肩肘張らずに、聴けるというか。聴く側も構えないで、すんなり耳に入ってくる楽曲達。
「Don’t Cry」で聴ける江夏のシャウトだとか、「Honey Bee」のベース岡本伸明の奇声なんかはtelephones感はあるが、基本的には「the telephonesとは別バンドなんだな」と強く実感する仕上がり。

凄く初々しくて、バンドでやる楽しさを再発見したような印象を感じた。

歌詞の話

歌詞はというと、基本的には日本語を使用している。今作は全曲、石毛が作詞を担当。
サウンドのイメージに合わせたんだろうか、青春を懐かしむような詞のイメージ。

「さよならだけが人生ならば また来る春は何だろう (Kiss)」

みたいに、the telephones時代にはなかったような日本語の美しいフレーズが登場する。

「僕」と「君」を登場させて、ボーイミーツガール的な世界観を出した歌詞が何曲かある一方で、語感の良さを重視して歌詞にはあまり意味ないんだろうなという曲もある。
どちらにしても、30代を過ぎた大人が書くにはあまりにも若々しい。
おそらく、江夏詩織が歌うことを想定して書いたんだろう。

江夏の歌声がもつ儚さが歌詞に説得力を持たしている。

個人的にグッときたのは、「Alien」冒頭のフレーズ。

「もしもし聞こえるかい? (Alien)

the telephonesを休止させて始めたバンドの第一声がこれなのは、エモい。

新たな出会いから生まれた音楽

女性ボーカルを探していたということだが、江夏詩織でなければこういうバンドにならなかったのだと思う。
それぐらい、石毛が書く曲の世界観に歌声がマッチしている。バンド全体の佇まいを考える上でも、彼女以外考えられない。

「男女混合ボーカル」、「ギターポップ」みたいなキーワードに引っ掛かた人はぜひ聴いてみてほしい。
「the telephonesの元メンバーが作ったバンド」としてではなく、lovefilmというひとつのバンドとして。

1.Alien
2.Don’t Cry
3.Kiss


4.Vomit
5.BIG LOVE
6.Holy Wonder
7.Honey Bee
8.Goodbye,Goodnight
9.Our Dawn
10.Hours

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レクタングル大

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プロフィール

著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

邦楽アルバムの感想とコラム記事を中心に書き殴っていきます。
特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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