LOST IN TIME

LOST IN TIME「すべてのおくりもの」

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LOST IN TIME「すべてのおくりもの」(2017)

~これからも変わらないんだろう~

心を「グッと」締めあげる歌と詞を提供してくれるバンド。通算10枚目のアルバムの感想。

アルバム「きのうのこと」で彼らの音楽に触れてから、新譜は常に聞き続けてきた。
熱心に聴いていないアルバムも正直ある。
でも、どのアルバムを聴いても「良いバンドだな」なんて再認識する。

彼らもついに10枚目のアルバムを発売することになった。
大きなヒットに恵まれたバンドではない彼らが、ここまで歩んでこれたのは、ずっと聴き続けてるファンがいるからだろう。
そんなファンのことも意識したのか、今回のアルバムタイトルは「すべてのおくりもの」。

変わらずに、真摯に歌い続ける彼らに心打たれる一枚となった。

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楽曲の話

ボーカル海北大輔のまっすぐな歌声を支える、シンプルで力強い演奏。
歌があってこその演奏ということで、決して派手なアレンジはしない。

楽器隊が細かいフレーズを弾いて目立ってしまうと、どうしても歌に耳を傾ける割合が減ってしまう。
メンバーが脱退したり色々とあったが、LOST IN TIMEが届けたいのは、今も昔も海北大輔の歌である。
あえて引いて、歌声を引き立たせるアレンジ。

海北の伸びやかな歌声を聴かせる、ミドルテンポの楽曲が多いのはここ最近の彼らの特徴かなと。
ただ、以前よりもアレンジの幅が広がっており、ちゃんと流行も追っている印象。
例えば、「オクターブ」、「太陽のカフス」なんかはヨコ乗りのシティポップ風のアレンジに仕上がっている。

初期の彼らを感じさせる「アンカー」、「Merino suit」のような疾走感のある曲。
ピアノの音色を活かした「トーチシンガー」、「全ての贈り物」。
経験を積んだ彼らの、バラエティに富んだ楽曲が味わえるアルバムとなった。

歌詞の話

夢、希望、未来といった「光」の部分。後悔、苦悩、孤独といった「闇」の部分。
どちらも肯定した、揺れ動く人間の感情を素直に表現した歌詞。今も昔も変わらず、胸に響く。

「過ぎ去った時間ばかり輝くのは何故? 言わないでよ (赫い日)」

彼らが以前から歌ってきた「後悔」。
何歳になっても、「あの頃こうしておけばよかった」なんて考える。
ただ、そんな後悔があるからこそ、現在がある。過去と現在は地続きなんだと教えてくれる。

「ゴールテープなんてどこにもない 表彰台すらあるはずもない (アンカー)」

冒頭に書いたが、LOST IN TIMEというバンドは決してヒットに恵まれたバンドではない。
それでもここまで続けてきた、ヒットという「表彰台」を昇らずにだ。
僕たちは、全ての人間が「表彰台」にあがることが出来ないことを知っている。

でも、夢見てしまう。いつか自分にも光が当たることを。
そんな自分と、LOST IN TIMEを照らし合わせて聴いてしまう。

変わらない安心

このバンドを聴くと、これから先も同じことを歌い続けるんだろうなと思う。
どんどん変わっていく世の中で、変わらないものがどれだけあるだろう。

「笑い合おう 愛し合おう 歌い合おう ずっと (全ての贈り物)」

未来に続く、現在の歌。ここから、また歩んでいくんだ。

1.ライラック


2.蹲る人
3.アンカー
4.Iris
5.路傍の石
6.赫い日
7.トーチシンガー
8.オクターブ
9.Merino suit
10.太陽のカフス
11.匣
12.全ての贈り物

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プロフィール

著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

邦楽アルバムの感想とコラム記事を中心に書き殴っていきます。
特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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