LOST IN TIME

LOST IN TIME「きのうのこと」

投稿日:2014年6月11日 更新日:


LOST IN TIME「きのうのこと」(2004)

~未来への後悔~

2001年結成の3人組バンド LOST IN TIME の2ndフルアルバム。
バンド名、アルバムタイトルから、過去のことを歌うバンドだと分かってもらえると思う。
時計の針は前にしか進まない。だから、前だけを向いて歩いていけと言う人がいる。
しかし、過去を振り返ることでしか前に進めない人もいると思う。そんな人に聴いてほしい。

長めのイントロで始まる「ヒカリ」で、このアルバムは幕を開ける。

「今、僕の本当を探し始めるよ、昨日を思い出にしよう」

過去にすがりつく人間がこの曲の主人公。
過去の自分が本当だったのか? それとも、これからの自分が本当なのか?
答えは、自分で探し始めることで見つかるかも。

続く「se 帰路」は、SEなので割愛。

息のあったバンドサウンドから始まる「教会通り」
この曲は、こんなフレーズから始まる。

「気がつくのはいつだってそうさ 何かを無くしたあとなんだ」

なんで、無くしてからしか、それが大切だったということに僕らは気付かないのだろう?
悲しい思い出の方が、記憶に残るのは当然。だって、それは大切なものだったんだから。

そして、疾走感あふれる彼らの代表曲「ココロノウタ」
この曲は、青春パンク時代の名残を感じる。

「悲しい事が 悲しい訳じゃなくて 悲しいと言えないことてのぼくにが 悲しい」

この曲は、このフレーズに尽きる。感情を外に出せたら、楽なんだけどな。

続く、「イロノナイセカイ」はこれぞ LOST IN TIME という曲。

「僕は今もここで 後悔を歌うよ」

海北さんがバンドやっている理由はこれだと感じるフレーズ。

そして、このアルバムのハイライト「列車」
イントロの淡々と繰り返されるギターフレーズから、エモ―ショナルなサビ。完璧な一曲。

「あの頃はよかったなんて 言いたくはなかったのにな」

こんなに必死で、このフレーズを歌われたら、泣くしかない。
社会人になってからこの曲を聴くと、どうしようもない衝動に駆られる。
さらに、榎本さんのギターソロが泣けるんだよな。

続く「あなたは生きている」はピアノの弾き語り曲。

「色々、あるけど あなたは生きている」

みんな、そうなんだよな。安心した。

榎本さんの動くギターフレーズが印象的な「誰かはいらない」
「誰か」じゃなくて、「僕」と「君」という存在を願う一曲。

Aメロのリズムの変化が癖になる「悲しいうた」

「世界の終わりを僕は望んでしまった 君の絶望を僕は願ってしまったんだ」

たまに、こんな世界なら滅びたほうが良いんじゃないかって、思う時が僕にもある。

前曲とは対照的に明るめな歌詞の「やっと言えた言葉」
過去を振り返り続けてきたからこそ、こういう歌詞が沁みる。

アウトロの熱唱が心に刺さる「昨日の事」
夜が来れば、今日は終わってしまう。
夜の時点で今日は何もなかったとしても、夜が明ければ明日がやってくる。
色々なことが起きる明日がやってくるかもしれない。そう願って、眠りにつけたらいいな。

ラストはスローテンポなバラード曲「北風と太陽」

「人はどうしてこんなふうに 後になるほど思うのでしょう」

本当になんでだろう? あの頃、こうしておけば良かったとか、今になって凄く考えてしまう。
後悔ばかりの人生になってしまわないように、「いま」を大切にしていこう。

凄くテンポの速い曲とか、ライブで滅茶苦茶盛り上がりそうな曲はないのだけれども、
海北さんのボーカルといい、榎本さんの生々しいギターといい、本当にエモ―ショナルなバンド。
個人的にLOST IN TIMEは全てのアルバムを聴いていて、その間メンバーが変わったり色々あったけど、
いまでも、海北さんが歌っていることはぶれていない。
つまり「過去を振り返らなければ、人は生きていけない」ということ。

「きのうのこと」でギターを弾いている、榎本さんは既に LOST IN TIMEからは脱退しているんだけど、凄く生々しい音でギターを弾くなという印象。このギタープレイが凄く好み。
(現メンバーの三井さんのギターも好きだけど)
サウンドは無駄なものをそぎ落として、極力シンプルに演奏している。
華やかさはないけど、海北さんのエモ―ショナルな歌唱を惹きたてている。

LOST IN TIME がどういうバンドなのかを知りたいなら、このアルバムから聴くことをオススメします。
後悔を歌い続けるバンド LOST IN TIME
過去を振り返ることでしか生きられないあなたに、捧げる一枚。

① ヒカリ
② se 帰路
③ 教会通り
④ ココロノウタ


⑤ イロノナイセカイ
⑥ 列車

⑦ あなたは生きている

⑧ 誰かはいらない
⑨ 悲しいうた
⑩ やっと言えた言葉
⑪ 昨日の事
⑫ 北風と太陽

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著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

邦楽アルバムの感想とコラム記事を中心に書き殴っていきます。
特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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