ゲスの極み乙女。

ゲスの極み乙女。「達磨林檎」

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ゲスの極み乙女。「達磨林檎」(2017)

~ひとりの音楽家として~

「名は体を表す」を地で行くバンド、発売延期となっていた3rdアルバムの感想。

真の意味で自由になった。

2016年のスタートと同時に全国を駆け巡ったニュースで一躍時の人となり、まあ色々言われた。
確かに良くないことをした。でも、音楽に罪はない。
生まれてくる音楽を聴いてどう思うか。まずは、聴いてから語ろう。

というわけで、今回のアルバム。セールスは苦戦しているらしい。そりゃそうだろう。

①複雑 ②暗い ③テンポ抑えめ

いままでの彼らの楽曲と比べても、よりこの3点が際立っている。
じゃあ「聴く価値ないのか」って話になるんだけど、むしろ2017年絶対に聴いとくべき一枚。
「苦しい状況下で作られた作品は、研ぎ澄まされた感性が反映され傑作となる」と勝手に思ってたけど、今回もそのパターン。
(ミスチル「深海」、アジカン「ファンクラブ」とかが一例。)

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楽曲の話

いわゆる、「Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→Cメロ→サビ」みたいなフォーマットがポップソングの定番。
だけど今回のアルバムはそのフォーマットに乗っ取っていない曲が多いし、各局面(Aメロ、サビなど)の癖が強い。

初期の彼らの曲によく見られたAメロ部分の「語り」が復活している。これがAメロに多く使われている。
すると、曲の序盤からいきなり情報量が多い。聴き手側からすると、置いていかれる。

ただ、その分川谷絵音が凄いのはサビのメロディセンス。ほんと、外さない。きっちりキャッチー。
これにより置いていかれた人も安心。なんというかギャップ効果。

「いけないダンスダンスダンス」なんて、自分の語彙力では曲のジャンルを表現できないほどの複雑さ。
他の楽曲も考え抜かれたアイデアが詰め込まれているんだろうけど、申し訳ない。言葉に出来ない。

あと、今回のアルバムは女性コーラスが多用されてる。加えて、ほないこかがめっちゃ歌ってる。
これが、独特の空気感出してるんだ。妙に耳に残る。楽曲に彩りを添える。

歌詞の話

あれだけ色々と言われたら、言い返したいのも分かる。
鬼の首を取ったように騒ぐ世間を牽制した「影ソング」なんか最たる例。

「本当に品がないな君たちは (影ソング)」

大体の人が「お前に言われたくないよ」って言い返すだろうけど、川谷絵音はそれさえ分かってて書いたに違いない。
何言われようと書きたいことを書く。やりたい音楽をやる。こういう強い意志をこのアルバムからは感じる。

「俺は生きてる (いけないダンスダンスダンス)」

このアルバムで存在証明を鳴らす。生きているということの確認。

転んでもただでは起きない

そんな印象を感じたアルバム。
騒動があったおかげでというわけではないが、ライブ活動も中止して楽曲制作に集中出来たんだろうなと。
楽曲のそれぞれに凝った工夫や、練り直して作ったんだろうなという努力が垣間見える。

いわば、意地だろう。
「マスコミのおもちゃではなく、ひとりの音楽家なんだ」という表明であり、反抗。
ゲスの極み乙女。の4人でしか作れない音楽への挑戦。その再スタート。

1.シアワセ林檎


2.影ソング

3.DARUMASAN

4.某東京
5.id2
6.心地艶やかに

7.午後のハイファイ
8.いけないダンスダンスダンス
9.勝手な青春劇

10.小説家みたいなあなたになりたい
11.Id3
12.Dancer in the Dancer
13.ゲストーリー

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プロフィール

著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

邦楽アルバムの感想とコラム記事を中心に書き殴っていきます。
特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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