チャットモンチー「誕生」

誕生のジャケット写真
チャットモンチー「誕生」(2018)

2018年6月27日発売、7枚目のフルアルバム。

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感想

「チャットモンチーが解散(完結)する」という一報を聞いたとき、自分が想像していたよりも寂しい気持ちになったのを覚えている。

というのも、いわゆる「邦楽ロック」を00年代中盤から聴き始めた自分にとって、彼女達はデビューからリアルタイムで見てきた数少ないバンドだったからだ。

ただ、新曲やアルバムが出れば必ず聴きはしたけど、足繁くライブに通う程のファンではなかったのですが。

あと追記するなら、「3人時代のチャットモンチー」が好きで、2人になってからは少し距離を置いたっていう人間です。
2人になってからの曲でも好きな曲(「満月に吠えろ」とか)はあるけど、3人時代の方が好みでした。

そんな自分が聴いた「誕生」というアルバム。
「活動の集大成となる傑作」と胸を張って言うことは、正直できなかった。

アルバムとしては「CHATMONCHY MECHA」という曲が収録されていることからわかるように、打ち込みをメインにした作品となっている。
しかし、どこか中途半端な取り入れ方に感じてしまった。

アルバムを通して聴くと「この作品はまだ実験途中で、次の作品で花開くのでは?」なんてことを思ってしまう。もちろん、次の作品なんて無いことは分かっているんですけど・・・。
(イメージでいうと、くるり「THE WORLD IS MINE」のような作品を次に作ってくれるんじゃないかって妄想しました)

こんな感じで、この作品を全面的に好きと言うことは出来ないのですが、曲単位でいうと「砂鉄」は涙腺に来ました。

それと「たったさっきから3000年までの話」の近未来感あるサウンドと、色々と解釈したくなる歌詞は結構好きです。

やはり自分はもう一作品見てみたかった、ここで「誕生」したものが「進化」する姿を見てみたかった。

彼女達自身が「やりきった」と言っているのだからその通りなんだろうけど、「誕生」を聴くとその先を期待してしまうんですよ。
そんなことを思うのは私だけですかね・・・。

全曲感想

1.CHATMONCHY MECHA

1曲目にこの曲を持って来たということは、「このアルバムは打ち込みをがっつりやりますよ」って宣言だと思ったんだけど、以降の曲を聴くとそうでもないのがモヤッとする。

それと、7曲しか入っていない中でこういうインスト曲を入れたのは残念だなと思ったり。

ラストアルバムだし、彼女達の歌を少しでも多く聴きたかった。

2.たったさっきから3000年までの話


この曲に関してはがっつり打ち込みをやってますが、そんなにバキバキの音ではなく有機的な感じがする。

サビの「ラララ」の「この曲の解釈はあなた達に任せますよ」感、嫌いじゃないです。

「変わるもの」「変わらないもの」を描写しながら、未来に想いを馳せる歌詞。

遠い未来もそんなに「変わらない」って最終的には思っているっぽいけど、これを常に変化し続けてきたチャットモンチーが歌うところに意味があるような。

3人組でデビューし2人組になり、サポートも交えながら活動してきたが、最後にはメカになった彼女達。その間13年である。
3000年どころの話ではない。

思うに「表面的には変わっても、本質的には変わらない」ですよと、「実は私たち変わってないんです」みたいな。

「いや、変わってるじゃん!」って、わたし自身は思っちゃうけども・・・。
(橋本絵莉子が母になったっていうのが大きな変化だと思ってます)

誰かと解釈について話してみたくなる歌詞。
ですので、色々書いたけど好みの歌詞です。

3.the key

所々で鳴る鋭いギターサウンドに、昔よく聴いていた頃の彼女達の面影を感じて、ノスタルジックになっちゃいますね。

打ち込みを用いているけど、前曲同様に生の質感がある。

前曲の感想で「橋本絵莉子が母になった云々」と書いたけど、この曲とラストの「ぴろうど」はそれが顕著な歌詞だなと。

もろに、お子さんに向けて歌詞を書いてます。

「鍵をかけて危ないから」と子供の安全を願いながらも、それを「まんまと騙されながら」とも歌っている。
過保護になってはいけないという戒めといったところだろうか。

子供がいない自分には、この曲に入り込めるかと問われれば難しい部分はあるけど、なんかグッと来ました。

「お母さん、してるんだな・・・」みたいな。

4.クッキング・ララ feat. DJみそしるとMCごはん

この曲に関しては、そんなに語りたいことがないですね・・・。

ヒップホップというジャンルに苦手意識がありまして、どう聴いたらいいか分からないのです。
(そもそも、この曲をヒップホップと呼んでいいかも分からないので、違ってたらすみません。)

所々「本当に要るものはいくつあるだろう」とか「おそれてばかり失うことを」みたいな鋭さを感じるフレーズはあるんですけど、全体的には優しい感じですね。

5.裸足の街のスター

色んな楽器の音が入ってて、なんか民謡っぽい感じ。

作詞が福岡晃子ということで、最初は「橋本絵莉子に向けて書いた曲なのかな?」と思ったんだけど、どうやらチャットモンチーについて書いた曲っぽい。

「イノシシ年のロックスター」ってフレーズで、「橋本さんも福岡さんもイノシシ年(1983年)生まれじゃん、そうかそうか。」って、勝手に感心してました。

あと「つながって鳴らしていく未知の旅」って歌詞があったので、これからも音楽活動は続けていくらしい、安心しました。

6.砂鉄

今作のハイライトでしょう。断トツ今作で一番好きな曲です。

あの高橋久美子が作詞をするというだけでグッとくるけど、歌詞自体の内容がもうね・・・。

砂場に磁石入れたら
砂鉄だけ持ち上がるように
別の星に生まれていても
僕らは出会ったのだろうね

「砂鉄」

「おい、泣かせるな」って感じですよ。

あと、この歌詞ですね。

だめでもだめだめでも 許すよ

「砂鉄」

このサビの歌詞は、3rdフル「告白」収録曲の「やさしさ」へのアンサーになってるじゃないですか。

明日ダメでも 明後日ダメダメでも
私を許して
それがやさしさでしょう?

「やさしさ」

橋本絵莉子という人間のパーソナルな部分がよくわかる「やさしさ」の歌詞を持って来て、「許すよ」と答える高橋久美子。

ラストアルバム感が半端じゃないけど、素直にグッと来ました。

7.びろうど

前曲で既にラストアルバム感が半端なかったけど、この曲はもう完全に「ラストアルバムのラストソング」の佇まい。

コーラスで橋本絵莉子のお子さんが参加している。

歌詞の内容からして「誕生」というアルバムのラストにふさわしいのではないでしょうか。

あれこれ言うよりも、お子さんのコーラスが雄弁に「命」について語りかけてくれます。

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