BUMP OF CHICKEN

BUMP OF CHICKEN 「jupiter」

投稿日:2014年7月22日 更新日:


BUMP OF CHICKEN 「jupiter」(2002)

~昨日や明日じゃなくて、「イマ」を唄った歌~

メジャーデビュー後、初のフルアルバム。このアルバムでオリコンチャート1位を獲得。
BUMP OF CHICKENの名を世間に知らしめたアルバム。もちろん「天体観測」の存在が大きい。
インディーズ時代に比べれば、洗練されたサウンド。ポップになったとも。
有名になったことで感じた苦悩も感じさせる作品でもある。
要するに、当時の藤原さんの「イマ」が描かれた一枚。

何重に重ねたギターが印象的なイントロから始まる「Stage of the ground」

「迷いながら 間違いながら 歩いていく その姿が正しいんだ」

当時の藤原さんは急に有名になって不安だったんではないだろうか。
そんな自分を勇気づけているように聴こえる。
過去には見られなかったスケールの大きさを感じさせる楽曲。

BUMPの名前を一躍有名にした2000年代を代表する名曲「天体観測」
まず、イントロのギターフレーズで勝負あり。星が流れていくのを思い浮かばせる名イントロ。

「見えないモノを見ようとして 望遠鏡を覗き込んだ」

手の届かないモノをを求め続けるのが人生だとしたら、人生は天体観測のようなものではないか。
その過程で見つけたものが、大事な「イマ」となって僕等を成長させてくれる。

静かなAメロと孤独を感じる歌詞が寂しい「Title of mine」

「こんな歌を唄う俺の 生きる意味 ひとつもない」

こんなフレーズでこの曲は締めくくられる。このフレーズ一つとっても当時の心情が分かる。
「触れていたい」という言葉が何度も出てくるように、孤独への恐れを強く感じる。
激しい間奏も印象的。

「ノーヒットノーラン」以来の野球が題材となった「キャッチボール」
「言葉のキャッチボール」が会話とよく言われる。
これが本当に難しい。急にカーブ投げられたり、消える魔球を投げられることもある。
続けていくことで、二人の距離は近づいていく。

花の生命力を感じさせるような力強いサウンドの「ハルジオン」

「折れることなく揺れる 揺るぎない信念だろう」

「揺れる」から「揺るぎない」とつなげたのが上手いフレーズ。
花は本当に力強い。雨にも負けず、風にも負けず。
そんな、人間に僕もなれればなあ。

社会人には心に迫ってくる「ベンチとコーヒー」

「格好つけて 強がって 理屈ばかりの俺です 無駄に焦って 取り繕って それすら認めません」

すみません、まさに僕がこんな人間です。
本当にどこで迷っちまったんだろう。
イントロで使われている太い音の単音ギターフレーズが印象的。

アコギで紡がれるアルペジオが優しい「メロディーフラッグ」

「昨日や明日じゃなくて 今を唄った歌」

このアルバムを象徴するフレーズ。
「イマ」を唄った曲が盛りだくさんなのが、この「jupiter」というアルバム。

落ち着いたサウンドに乗せて、有名になったことの苦悩を唄う「ベル」

「僕の事なんか ひとつも知らないくせに 僕の事なんか 明日は忘れるくせに」

有名になると、こういう感情になってしまうものなんだ・・・
こんな感情の時に、友人にかけられる一言がありがたかったりするんだろうな。

生々しさすら感じる程の力強い言葉が刺さる「ダイヤモンド」

「何回転んだっていいさ 何回迷ったっていいさ 大事なモンは 幾つもないさ」

インディーズ時代を思い出させるような熱い歌詞。
こういう楽曲を今のBUMPに求めてしまうのは、野暮なのか。

ラストはお得意の物語風の「ダンデライオン」
サウンドがいままでのBUMPの楽曲の中でも、際立って軽快。
忘れた頃に、こういうスト―リー仕立ての楽曲を持ってくる。憎い演出。

通して聴いて、音がクリアになったなというのが第一印象。
インディーズ時代のザラザラしたサウンドではなく、各楽器の音の輪郭がしっかりしている。
その分、ポップな曲はよりポップに聴こえ、藤原さんのソングライティングセンスの高さを再認識することができた。

歌詞に関しては、前作が弱さを感じさせる主人公が力強く生きていく歌詞が多かったのに対し、
今作では、弱さをそのまま加工しないで曝け出している歌詞が多い気が。
強がるのではなく、ありのままに想いを歌にする。
知名度が上がり、嫌でも注目されるようになった彼らが選んだのは、等身大の「イマ」を唄うことだったようだ。

力強さは以前よりも感じないものの、単純に聴いていて「良い音楽」だと思える曲が詰まったアルバム。
アルバムタイトルは「jupiter」と太陽系の惑星の中で最大の星の名前がつけられているが、
むしろ、ちっぽけな人間の弱さや苦悩を唄った身近なアルバム。
大ヒット曲「天体観測」以外にも、人気の高い楽曲が収録されているので、
初めてBUMPを聴く人にオススメの作品。

① Stage Of The Ground
② 天体観測


③ Title Of Mine
④ キャッチボール
⑤ ハルジオン
⑥ ベンチとコーヒー
⑦ メロディーフラッグ
⑧ ベル
⑨ ダイヤモンド
⑩ ダンデライオン

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著者:S.S
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