BLUE ENCOUNT「VECTOR」


BLUE ENCOUNT「VECTOR」(2018)

2018年3月21日発売、メジャー3枚目のフルアルバム。

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感想

今作発売を記念し作られた特設サイトで、04 Limited SazabysのGENがこの作品の音楽性について、このように語っている。

灯せよで灯されて振り上げた拳を、最後まで下ろすことなくアルバムを聴き終えました。
この一枚に、あの頃の僕らが憧れたメロディックパンクやエモ、ポップスも全てミクスチャーに詰まってます。

今作で鳴っている音を端的に言い表していると思う。「ポップス」の所には、いわゆるJPOPやシティポップが含まれるということを自分は付け加えておきたい。

BLUE ENCOUNTの4人は、とにかく音楽が好きなんだろう。

小さな頃から、色々な音楽(特にロックと呼ばれているもの)を聴いて、大人になったいま「自分達が聴いてきた音楽はこんなにもカッコいいんだぞ」ということを多くの人に伝えたいバンドなんだと思う。

いや、「多くの人に伝えたいバンドだと思っていた」という過去形の方が正しいのかもしれない。

初期の彼ら

インディーズ時代のBLUE ENCOUNTはメロディックパンクやエモ(具体例を挙げるならELLEGARDEN)に影響を受けた、英詞の曲が多いバンドだった。

メジャーデビュー後は日本語詞が増え、メロディもキャッチーになり、多くの人に届けようという方向性に舵を切る。

どんな時間も どんな答えも
どんな君も間違っていないから

「もっと光を」

LIVE!! LIVE!! 真面目人間も
GO!! GO!! パリピポさんも
ちっちゃい偏見 一切消してよ 騒げ!

「LIVER」

前作「THE END」の感想にも、少し書いたけど、英詞があまり好きではないこともあってインディーズ時代の彼らはピンときていなかった。

ただ1stアルバムに入ってる上記曲の歌詞における色々な人がいるだろうけど肯定するって考え方。音楽好きに悪い人はいない、みたいな感じで否定せずに一緒に楽しもうって歌詞が良いなと思い、以降チェックするようになった。

前作「THE END」で感じた違和感

そんな中、2017年に発売されたアルバム「THE END」。

いままでの彼らを壊すという意思を持って作られたこの作品は、90年代から00年代にかけてのロックを参照して詰め込んだ「邦ロックのハイブリット」と言える作品になっていたが、自分としては歌詞に違和感を覚えた。

例えば「Survivor」、「TAWAKE」なんかでは、他人を晒して自分を鼓舞するような歌詞が出てきたり、「city」や「だいじょうぶ」のように、不特定多数の「あなた」ではなく、かなり狭い範囲の「あなた」に語りかけるような歌詞が増えていた。

そして今作

サウンド的には冒頭で書いた通り、前作からより参照先を増やしたようなごちゃ混ぜの音が鳴っている。
一つ一つのクオリティは悪くないけど、良いとこ取りも度が過ぎるんじゃないかと思ってしまった。

[ロックンロール]は様々なバンドが残してきた音楽を自分の物に消化して、解釈した結果、新しいジャンルが産まれてきたという歴史だというのが自分の解釈。

その考え方と照らしたときに、今作の音楽はあれこれ手を出し過ぎた結果「消化せずに、ただ吐き出しただけ」なんじゃないのと思ってしまった。

特に「coffee, sugar, instant love」のやっつけシティポップ感はどうなんだと思うし、「resistance」のラップメタルってこんな感じだよなって音も咀嚼が足りない気がする。

色々チャレンジして音楽的に変わっていくことは良いことだと思うし、そういう音楽的挑戦をしていって大きくなっていくのがロックバンドだとも思う。

ただ、今作は手を出しすぎて変わったというよりも「ちょっとやってみました感」が強いのが残念だった。

そして、決定的に自分がきついなと思ったのは今作の歌詞。

誰かの昨日に興味はない
泥だらけのイマを突き進んで
見たい未来
ダサいくらい
かかげろ!

「ハンプティダンプティ」

「興味はない」って、言い切っちゃうのかと。どんな時間も間違っちゃいないって歌ってた彼らはもうここにはいないのだなと。

僕が出したこの声は
すべての人に届かない
でもそれでもいいんだ
あなたが笑ってくれれば

「こたえ」

「すべての人に届かない」なんて分かってる、でもそれをロックバンドと名乗るものが言っちゃダメだろと。しかも、これが「こたえ」って寂しいです。
絶対不可能だと思っていることでも、少しばかりの期待を持って、馬鹿みたいに理想を追い続けていくのがロックバンドなんだと思ってたし、彼らはそういうバンドだだと思ってました。

さらに加えれば、これだけ色んなジャンルから引用したサウンドやった結果「すべての人に届かない」って、それはもう一種の敗北宣言なんじゃないかと思ってしまう。
すべての人に届けたいから、色んなジャンルやってるのかと思ってたんだけど・・・。

時々悲しみが立ちはだかり邪魔するけれど
溢れだした感情が「こっちだ!」って手を引っ張って
いつもボクらを導くんだ
限界を全部超えようぜ! さあ!

「NEVER ENDING STORY」

彼らのアンセム的な存在になっているこの曲も、限界を超えられなかった(超えようとしなくなった)、今では虚しい気持ちになっちゃうなあ。

収録曲

1.灯せ
2.Waaaake!!!!
3.コンパス
4.VS
5.RUN
6….FEEL ?
7.ハンプティダンプティ
8.résistance
9.虹
10.グッバイ。
11.coffee, sugar, instant love
12.「77」
13.さよなら
14.こたえ

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