ASIAN KUNG-FU GENERATION

ASIAN KUNG-FU GENERATION 「君繋ファイブエム」

投稿日:2014年4月29日 更新日:


ASIAN KUNG-FU GENERATION 「君繋ファイブエム」(2003)

~彼らが僕に教えてくれた2つのこと~

神奈川県出身4人組バンド ASIAN KUNG-FU GENERATIONの1stフルアルバム。
初めて見に行ったライブはアジカン、ギターを始めるきっかけもアジカン。
僕にとってのアジカンは大切な存在である。
そんな僕が思うアジカンの最高傑作がこのアルバムである。

①は2分にも満たない短い楽曲。
2本のディスト―ションギターが奏でる迫力あるサウンド。いきなり、

「細胞膜に包まって3分間で40倍」

という歌詞が飛び込んできて、今まで聞いてきた音楽とは違うものを感じる。
このアルバムが名盤であることを予感させるオープニングナンバー。

①の勢いそのままで流れ込む②はデビューシングル。
疾走感の中に切なさがあるという彼らの魅力が溢れる楽曲。
「雨の道を這ってるトカゲみたいに~」のフレーズは涙線に触れるものがある。

③は「声」をテーマにした楽曲だろうか。これまた気持ちいい疾走感。

「アンテナ拾った言葉から 繋いだよ途切れる声」

アルバム名にも入っている「繋ぐ」を意識した歌詞。

④はライブでも定番の人気曲。

「軋んだその心、それアンダースタンド」

というサビだが、「心」と「それ」の間のボーカルのファルセットが印象的。
そしてこの曲のBメロのサビ感は異常。日本語でこんなクオリティの高いパワーポップ作れるのかと驚く。

⑤、⑥は少しスローダウン。どちらも切ないメロディが印象的。
こういった落ち着いた曲における、ギターのクリーントーンの音作りは参考になる。

⑦は歌詞の語感の良さが心地いい。

「吐き出す焦燥の否」
「幻想の果て 現状に手を」

といったフレーズのサウンドにうまく乗っかってる感が凄い。

⑧はナンバーガールをリスペクトした一曲。
中華風のイントロと「無常」というフレーズが、ナンバガっぽさを感じさせる。

⑨はキレキレのカッテイングで始まる楽曲。

「心に届かぬ言葉 僕だけもう意味を失うだけ」

といった歌詞に「繋ぐ」ことの難しさを感じさせる。

⑩はOASISの「Live Forever」のソロが引用されていて、思わずニヤリとしてしまった。

⑪はシングル曲で、僕がアジカンの中で最も好きな曲であり、初めてギターでコピーした楽曲でもある。
オクターブ奏法のリフは一度聴いたら忘れられない。踊れるのもこの曲の特徴。

「意味も無く何となく進む 淀みあるスト―リー」

Aメロのこのフレーズに共感を覚え、

「丘の上から見える街に咲いた 君という花」

という一節に救われる。
6分を超える楽曲だが、長さを感じさせない。メジャーセカンドシングルでこの完成度は反則。

アルバムのラストを飾る⑫は「名前をくれよ」のフレーズが胸に響く。
3rdアルバムの「ファンクラブ」に入ってそうな楽曲。

アジカンの凄さは「洋楽のギターロックに日本語を乗せることに成功し、かつ多くの人がコピーできそうな難易度」
という点にあると思っている。

アジカン以前のバンドは、洋楽的なサウンドに英語を乗せることが多かった。(特にメロコア系に顕著)
後藤氏は日本語を抽象化し、一つの言葉を短くしてギターサウンドにのせた。

そして、抽象的な歌詞が並んでいるにもかかわらず、通して聴くと具体的なイメージを思い浮かぶことができる。

また、アジカンの曲は比較的コピーしやすい曲が多い。
ヒット曲「リライト」は全国の軽音部で演奏されているし、このアルバムもコピーしやすい楽曲が多い。
コピーしやすいということは、それだけ楽曲を身近に感じることができるので、
バンドとしてはかなりのアドバンテージである。

このアルバムは僕に、
①「日本語のロックもかっこいい」②「ギターサウンドは当然かっこいい」ということを教えてくれたアルバム。

アジカンのアルバムはどれも違った良さがあって、最高傑作を選ぶのが難しい。
ただ一つ言えるのは、このアルバムに出会ってなかったら、これほど音楽を好きになることはなかった。

① フラッシュバック
② 未来の破片


③ 電波塔
④ アンダースタンド
⑤ 夏の日、残像
⑥ 無限グライダー
⑦ その訳を
⑧ N.G.S
⑨ 自閉探索
⑩ E
⑪ 君という花

⑫ ノーネーム

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著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

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特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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