ART-SCHOOL

ART-SCHOOL「REQUIEM FOR INNOCENCE」

投稿日:2014年7月31日 更新日:


ART-SCHOOL「REQUIEM FOR INNOCENCE」(2002)

~儚さが生む美しさ~

2002年メジャーデビュー ART-SCHOOLのメジャー1stフルアルバム。
ART-SCHOOLのライブに行けば、このアルバムに収録されている曲達の盛り上がりが凄いということに気付く。
それだけ、このアルバムにはライブ映えする楽曲が収録されている。
彼らが優れた3分間ポップソングを作るバンドであることを確認できる傑作デビューアルバム。

これぞ青春という曲名の「BOY MEETS GIRL」

「この刹那を この刹那を信じた」

疾走するギターサウンドが儚さを感じさせる。
木下さんの消えてなくなってしまいそうな声も儚さに拍車をかける。

美メロで疾走する「リグレット」
歌詞は悲しげな印象を受けるが、この世界観がサウンドと恐ろしいほどマッチしている。

メジャーデビューシングル「DIVA」
現在はストレイテナーに所属している日向さんの重たいベースが印象的。

「ただ消え去っていくって そんな気がしてさ」

喪失感が曲全体に漂っている。なんでこんなに切ないんだろう。

ライブで鉄板のポップなサウンドで駆け抜ける「車輪の下」
少し、痛さを感じる歌詞。だが、それがART-SCHOOLというバンド。
このアルバムの楽曲は、サビが全てキャッチーだけど、その中でもキャッチーなサビが特徴的。

曲名通り、溶けてしまいそうな危うさが漂う「メルトダウン」

「いつの間に一人立っていた? 閉ざしたままで 誰にも触れず」

木下さんの歌詞は孤独が多く描かれる。
しかし、一方で「君」というフレーズもよく出てくる。
孤独から逃れるために「君」を探し求め続ける。

軽快なドラムとギターのアルペジオが心地よく絡む「サッドマシーン」
この曲も、ライブで人気の楽曲。求心力の強いサビ。
木下さんの「助けて」という叫びが、胸に突き刺さる。

落ち着いたAメロと力強いサビが対照的な「欲望の翼」
ラストの「I don’t care」と「あどけなく」という言葉選びにセンスを感じる。

掻き鳴らすギターストロークが印象的な「アイリス」

「この肌の下 僕らは溶けあったけ」

過去の恋愛を思い出して書いた歌詞。
絶対にバッドエンドになりそうな気がするのが、ART-SCHOOLが書くラブソング。

この曲も消えてしまいそうな危うさを感じる「フラジャイル」

「今朝僕は自分の叫び声で目覚めた」

これが、木下さんの実体験だと言うのだから怖い。
とにかく危うさが魅力なんだろうが、これが長く続くわけがない。

警戒音のようなギターフレーズが癖になる「foolish」
この曲に出てくる「君」は笑ってばかりいるんだけど、僕には嘘笑いにしか感じない。
冷たさがある笑顔。そんな気がしてならない。

このアルバムで最も美しい「シャーロット」
木下さんのファルセットと美しいメロディ。これぞART-SCHOOLという名曲。

「悲しいふりをした 狂気そのもの・真実の愛」

「愛」は元々が狂気じみたもの。それは、テレビの痛ましいニュースを見ていれば明らか。
しかし、その危うさが「愛」の魅力であることも間違いない。

最後に希望を見せる「乾いた花」

「そうさ 今日は生き残っていたい 生き残っていたいよ 此処で」

このアルバムを聴いていると、「死」の匂いみたいなのを少なからず感じる。
しかし、最後にこの曲が流れることでリスナーは安心する。
汚い世界で生きていくことを選ぶという選択に拍手。

どの曲もポップだ。凄く聴きやすい。
90年代初頭、USグランジの象徴「Nirvana」が人気だったのは曲が恐ろしくポップだったからだと思う。
そのグランジやオルタナの影響を受けたことがよくわかるポップさ。
日本のバンドでここまで、オルタナ直系のバンドはART-SCHOOLが唯一だと思う。

さらに木下さんが書く歌詞の世界観も独特だ。
すぐにでも消えてしまいそうな危うさ。喪失感が美しさを生むのだと教えてくれた歌詞。

僕がこのアルバムを聴いたとき、既にART-SCHOOLはメンバーも変わっており、音楽性も変化していた頃だった。
しかし、納得した。
誰もがこのアルバムを聴けば、ART-SCHOOLというバンドが長く持たないんじゃないかと危惧するだろう。
2014年現在、まだART-SCHOOLというバンドが活動しているのは奇跡とも思ってしまう。

このアルバムの楽曲を一言で表すと「三分間の儚さ」。
初期衝動とは何なのか? それを知りたいならこのアルバムを聴くのをオススメします。

① BOY MEETS GIRL
② リグレット
③ DIVA
④ 車輪の下
⑤ メルトダウン
⑥ サッドマシーン
⑦ 欲望の翼
⑧ アイリス
⑨ フラジャイル
⑩ foolish
⑪ シャーロット
⑫ 乾いた花

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著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

邦楽アルバムの感想とコラム記事を中心に書き殴っていきます。
特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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