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androp「blue」

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androp「blue」(2016)

~人間の二面性~

光や希望を歌うイメージの強いバンドandrop。初めて闇を歌ったミニアルバムをレビュー。

バンドのいままでの活動をまとめたベストアルバムを発売後、3ヶ月あまりでリリースされたのが「blue」。
「人間の闇」を描いた作品ということで、統一感の強いアルバムになると感じていた。

聴いてみると、androp史上最もダークなアルバムになってました。

やはり、デビューからお世話になっていた事務所を離れ、「image world」を設立したのには深い事情があったのかと勘繰ってしまう。
バンドが再スタートの作品として、「人間の闇」をテーマにした理由は定かではないけど、音楽的に実験を試みて可能性を広げる一枚になった。

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楽曲の話

再生してすぐに聞こえてくるノイズと加工されたボーカル内澤の声。
RADIOHEADのアルバムを間違えて再生したんじゃないかなと思った。
「いままでのandropとは違う」、期待にも不安にもなる冒頭「kaonashi」の重たい雰囲気。

その後の楽曲もダークなサウンドが展開され、前作「androp」で見せた間口の広い開けたサウンドとは対照的。
andropというバンドが、ポストロックやシューゲイザーといったジャンルもルーツにしていたんだなと感じる音像。

複雑に絡み合う楽器隊と変則なリズムによって奏でられる曲達は、彼らの魅力の一つが屈強なバンドサウンドをであることを改めて証明した。

また、今までの作品との違いとして挙げられるのは、ボーカル内澤以外が作詞作曲した曲が収録されていること。
「Kienai」はギターの佐藤、「Lost」はベースの前田が作曲している。
一つのアルバムに、作曲者が複数いると統一感が無くなりがちだが、今作の収録曲は違和感なく溶け込んでいる。

今後を見据えると、作曲できる人が複数いるのは、バンドの可能性を広げていく要因になるので次の作品以降も続けてほしい。

歌詞の話

サウンドも重たいんだけど、より曲を重たくしているのは歌詞。
耳に飛び込んでくるネガティブワードの数々。「内澤、どうしたんだ?」と心配になるほど。

「もう何もかも信じられない (Kaonashi)」

という歌詞は、信頼する何者かに裏切られたことを暗に意味しているだろう。
加えて、何度か用いられる「嘘」というワード。

「「ウソ」も「マコト」も疑え叫べ (Sunny day)」

「嘘も真実もこれが現実なの (Kienai)」

誰かに嘘をつかれ、傷ついたということか。

改めて考えてみると、「裏切られる」ことも「嘘をつかれる」ことも長い人生のうち、何度かはある。
そういう嫌な人間がいるからこそ、自分にとって大切な人間がより鮮明になると私は思う。

普段、光を歌う彼らがあえて、闇を歌った理由は「光をより強いもの」にしたかったからだろう。

光も闇も歌っていく覚悟

andropはデビュー当初、顔を出さないなどのイメージ戦略で、どこか無機質な印象を持っていた。
それがここまで、人間味溢れるアルバムを発売するまでになって親近感がわいた。

重たいアルバムだけど、やはりこういうアルバムには惹かれてしまう自分がいる。
人間、良いことばかりじゃないし、辛いこともある。毒づいたっていいじゃないか、吐き出したっていいじゃないか。

人間の二面性を暴いたアルバム「blue」をぜひ聴いてほしい。

1 Kaonashi


2 Irony
3 Digi Piece
4 Sunny day

5 Kienai
6 Lost

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プロフィール

著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

邦楽アルバムの感想とコラム記事を中心に書き殴っていきます。
特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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