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Age Factory「RIVER」

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Age Factory「RIVER」(2017)

ロックシーンに中指を突きつける、通称「奈良の獣」ことAge Factory。前作「LOVE」から9ヶ月ぶりとなるミニアルバムの感想。

最近のバンドって、いわゆる「女受け」するバンドが多い。人気バンドのライブに行けば、黄色い声が必ずと言っていいほど飛んでくる。
「ロックバンドのアイドル化」なんてこともよく言われているような。
現代ではロックという言葉を聞いて反骨精神と結びつける人はほとんどいなくなった。

そんな時代に現れた、Age Factoryというバンド。一音聴いた瞬間「あっ、これはロックだ」と瞬時に判断できる骨太サウンドとボーカル清水エイスケの咆哮。
完全に「男受け」のサウンド。黄色い声なんていらん、野太い声求むっていう熱苦しさ。

いまの流行りと逆行する彼らが放つ、「RIVER」というミニアルバム。
「流れに飲まれるな」
「これがロックじゃなくて、何がロックなの?」と思うほど真っ直ぐで、力強いメッセージが込められた作品に仕上がっている。

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楽曲の話

前作「LOVE」は「金木犀」、「Puke」など複雑な展開をみせる楽曲も収録されたバラエティに富んだ作品となっていたが、今作は「ただひたすらに真っ直ぐなギターロック」が次々と鳴らされていく。
言うならば、「目の前から向かってくる敵を、右ストレートだけでなぎ倒していくような」サウンド。細かいことなんて気にしない、鋭いギターと力強いリズム隊がアルバム全体を通じて鳴り響いている。

世間一般的な「ギターロック」が好きな人は、前作よりも今作の方が聴きやすいかもしれない。そんなわけで、Age Factory入門には最適なアルバム。

リード曲の「RIVER」はまさに王道を行くようなギターロックで、彼らの曲の中では逆に新鮮。この曲を軸にこのアルバムは作られたんだなということがよくわかる。
一方で「CLEAN UP」は彼らのハードな部分が好きな人にはオススメの一曲。歌詞のハラスメントすれすれな歌詞と相まって彼ららしい一曲。
彼らの代表曲の一つ「ロードショー」が好きな人なんかは、「left in march」、「SUNDAY」を気に入ると思う。怒りだけではない、彼らの温かさを感じる2曲。

どの曲も、ロックバンド然としたストレートな楽曲だが、音色の違いによって様々な表情を見せてくれる。

前作は一つ一つの楽曲に時間を掛けて作ったんだなと感じる作品だったが、今作はいい意味でライブ感を重視した「ありのままの彼ら」を落とし込んだ作品。
そこには、「ライブを観に来てほしい」という強い彼らの意思を感じるし、「ライブで聴いたらこんなもんじゃねえぞ」っていう挑発も込められている気がする。

歌詞の話

今作のテーマは明確だ。
「周りに流されるな。自分の意思を持って生きろ」
そんなメッセージをはっきりと表明しているのが、リード曲「RIVER」。

「孤独であれ 人よ 孤独であれ 街よ 孤独であれ 君よ 孤独を抱えて行け (RIVER)」

「孤独=悪」という概念が定着している現代で、あえて「孤独であれ」と歌う。
これは、もちろん「独りぼっち」なれっていう表面的な意味ではなくて、流行りものにすぐ飛びつく人とか、周りの意見に流されて物を言えない人とかに対して、「NO」を突きつける意味での「孤独」になるんだろう。

もう一つの意味合いとしては、Age Factoryというバンドの決意表明であるとも感じた。
とあるバンドが流行れば、そのフォロワーがうじゃうじゃ出てくるバンドシーン。そしてそういう二番煎じのバンドに簡単に飛びつくファン。
心が弱ければ簡単に流されてしまうようなバンドシーンで、自分たちが信じる格好いい音楽を鳴らし続けていきたい。
自分たちの信じる音楽を鳴らし続けた結果、他にもそういう強い意思を持ったバンドが出てきて、切磋琢磨しシーンを盛り上げていきたい。

そういう意気込みを感じる一曲。何年か後に彼らのキャリアを語る上で、重要な意味合いを持つ楽曲になるはずだ。

他にも、

「見える全てを壊して進め 何も要らないさ (OVERDRIVE)」
「狼煙を上げろ 合図を送れ (siren)」

とか、「とにかく前に進め」という強いメッセージが目立つ今作。

そんな中で、アルバムのラストを飾る「SUNDAY」の一節。

「とぼけたまま側に居てよ (SUNDAY)」

こういう弱さを時に見せてくれるのが、グッとくる。一見、怒りに任せて歌ってるような彼らだけど、こういう一面を見せてくれるから強いメッセージがより魅力的に聞こえる。

小細工なしの真っ向勝負

このアルバムで彼らを好きになることがなかったら、彼らのことを好きになることは今後一切ない。そう断言してしまってもいいほど、彼らの魅力が凝縮された一枚。
彼らが国民的なバンドになる未来は、正直想像できないし、そんなバンドになる必要は全くない。
少しでも長くバンドを続けて、ライブハウスに立ち続けて、ボロボロになるまで、その音と歌を届け続けてほしい。
どんな時代でも、彼らみたいなバンドがいないとつまらない。

1.OVERDRIVE
2.RIVER


3.siren
4.CLEAN UP
5.left in march
6.SUNDAY

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プロフィール

著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

邦楽アルバムの感想とコラム記事を中心に書き殴っていきます。
特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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