チャットモンチー

チャットモンチー「耳鳴り」

投稿日:2014年6月19日 更新日:


チャットモンチー「耳鳴り」(2006)

~近寄るな、キケン~

2005年メジャーデビューの徳島出身のガールズバンド チャットモンチー。彼女たちの1stフルアルバムである。
現在は二人体制だが、デビュー時はスリーピースバンド。
一見、どこにでもいそうな女の子。しかし、それが罠。
このバンドは尖ってる。不用意に近付くと斬られる。

東京をハチの巣に例えた「東京ハチミツオーケストラ」

「私はまだやわらかな幼虫 甘い甘い夢を見てる」

女の子は虫が嫌いって、思い込んでた僕が悪いのか。
アルバム一曲目のサビで「幼虫」なんてワードを使うバンドが普通のわけがない。

空間系のギターが印象的な「さよならGood bye」

「味のないガムみたいな 吐いて捨てるほどの世界」

味のないガムって最悪だと思うんだけど、ベースの福岡さんは何を思ってこういう歌詞を書くのか。
彼女の闇は深い。

「最悪な日曜日」というフレーズが引っ掛かる「ウィークエンドのまぼろし」
橋本さんの甲高い声で、問いかけられると、なぜか恐怖を感じる。
グシャっとしたギターも雰囲気を出している。

初期の代表曲「ハナノユメ」 この曲は、こんなフレーズで始まる。

「薄い紙で指を切って 赤い赤い血が滲む これっぽっちの刃で痛い痛い指の先」

このアルバムを聴いた僕の感想がまさにこれ。
一見、弱そうに見えるんだけど、凄く尖ってる。後に残る痛み。

ハードで重たい「どなる、でんわ、どしゃぶり」
作詞は橋本さん。彼女もまた、深い闇を抱えていたようだ。
感受性が強すぎる女の子が3人集まってしまった。それが、チャットモンチー。

このアルバムの中では、比較的ポップな「一等星になれなかった君へ」
冷静に聴いてみると、凄く悲しい曲のような。
百億光年の時を超えないと、輝き放てないなんて。そんなに待てない。

サビのフレーズが印象に残る「おとぎの国の君」
現実が受け止められない人間の曲。
おとぎの国で生きるなんて、確かにダサくて格好悪い。

メジャーデビューシングル「恋の煙」アルバムバージョンになっている。

「二人ぼっちに 慣れようか 朝 昼 夜 その先でもいいから」

「二人ぼっち」、「二人言」、「二人よがり」、「二人占め」など独特の表現で、君への想いを唄う。
ここまで、「二人」を強調されると、執念みたいなものを感じる。

ミドルテンポに橋本さんの等身大の歌詞が乗る「恋愛スピリッツ」

「だからあなたを手放せない」

「だから」っていうほどの、理由は全く述べられていないんだけど、有無を言わせない説得力がある。

曲名通りBGMとして、のんびり聴きたい「終わりなきBGM」
Bメロのリズムが変化が好き。サビもキャッチーで、このアルバムで一番聴きやすいかも。

DVDレコーダーに恋愛を例えた「プラズマ」
この曲は割と、女の子らしい歌詞。福岡さんの独特の歌詞センスが光る。

アコギ主体のミドルテンポのラブソング「メッセージ」

「レンジで温めたセリフより ただ届けたいのは ただ届けたいのは」

チャットモンチーの音楽性を表したような歌詞。
等身大の想いを、飾らず、自分の言葉で伝える。不器用だからこそ、伝わる。

最後の曲は、サウンドの強弱が特徴の「ひとりだけ」

「夕日色のギターを何度もかき鳴らして なくらないこの思いをかき消した」

「ギターによる焦燥音楽。それ、すなわちROCK。」
かつて、ナンバーガールがこうロックを定義づけた。その魂が彼女に宿っている。

スリーピースバンドということで、シンプルな演奏。決して、凄く上手いというわけではない。
しかし、橋本さんが掻き鳴らすギターの音は、オルタナ直系の荒い音だし、
福岡さんのベースは自由で、高橋さんのドラムは力強い。全力で音を鳴らしている。
その必死さが、共感を呼ぶのだと思う。

メンバー全員が作詞をしているが、どの歌詞も決して飾った言葉を使わない。
等身大の想いを、橋本さんの甲高い声で伝える。
橋本さんの声は、チャットモンチーというバンドを象徴している。
普通に話せば、可愛い声なんだろうけど、必死さに狂気を感じる。
このアンバランスさが、このバンド最大の魅力。

演奏に荒さを感じるし、似たような曲もあり、まだ若いなと思う面も。
しかし、この荒削りな魅力は以後のチャットモンチーでは見られない。
このアルバムを聴けば、なぜチャットモンチーがロックファンに愛されるのか納得するに違いない。

① 東京ハチミツオーケストラ
② さよならGood bye
③ ウィークエンドのまぼろし
④ ハナノユメ(ALBUM Mix)
⑤ どなる、でんわ、どしゃぶり
⑥ 一等星になれなかった君へ
⑦ おとぎの国の君
⑧ 恋の煙(ALBUM Mix)


⑨ 恋愛スピリッツ

⑩ 終わりなきBGM
⑪ プラズマ
⑫ メッセージ
⑬ ひとりだけ

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プロフィール

著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

邦楽アルバムの感想とコラム記事を中心に書き殴っていきます。
特にロキノン系といわれるジャンルを好んで聴く。

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