ゲスの極み乙女。

ゲスの極み乙女。「魅力がすごいよ」

投稿日:2014年11月8日 更新日:


ゲスの極み乙女。「魅力がすごいよ」(2014)

~でも、本当はもっと魅力的なんだよね?~

2014年、最も知名度を上げたバンドであろう、ゲスの極み乙女。待望の1stフルアルバム。
アルバムタイトルは「魅力がすごいよ」。自信のほどが窺える。
全11曲で30分台と少し物足りなさを感じるし、インパクトのある曲がない感じもする。
流石な部分も当然あるが、もっと魅力的なんじゃないの。本当は。

綺麗なキーボードラインに憂いを感じる歌詞が乗っかる「ラスカ」
切ないメロディに、川谷さんの中性的なボーカルがピッタリ。

「明日も綺麗ごとばっかり 前向いて歌わないと」

歌についての歌。明確なメッセージ性をアルバム冒頭に持ってくる、過去作品にはない出だし。

ドラマ主題歌にも起用された、今作のリード曲「デジタルモグラ」
ゲスにしてはストレートな展開。インターネットについて歌っていると思われる歌詞、現代的。

「ああやってこうやって誤魔化しても 配信されちゃうよ」

腐るほど情報が手に入る社会だからこそ、受け手の情報処理能力が試される。嫌な社会だよね。

サビの疾走感がゲス史上随一な「crying march」
この曲は間違いなくライブで人気が出ると思う。ストレートなギターロック路線。
歌詞もわりとシンプルなラブソング。メジャーになったとも。

わかりやすい4つ打ちに乗せて、ファンタジックなラップが心地よい「星降る夜に花束を」
綺麗なキーボードの音色とゴリゴリしたベースサウンドが対照的で面白い。
ラストの畳みかけるようなラップ部分がツボ。

ちゃんMARIのピアノ発表会「列車クラシックさん」
クラシック曲「水の戯れ」を弾いている。+冒頭に「がったん ごっとん」。そういう曲。

メジャーデビューシングルでドラマ主題歌になった「猟奇的なキスを私にして」
キャッチーなメロディに、ゲスらしい捻くれた曲展開。

「「私 やっぱ一人で生きてくわ」って冗談だろ?」

開放的な大サビの最後に歌われる、このフレーズがこの曲の全てと言っても過言ではない。
猟奇的なキスを求めておいて、最後にこれ。女の子恐ろしい。

不思議なシンセサウンドが切なさ全開の「サリーマリー」
このアルバムの中でも、サビのメロディに強いフックを持つ楽曲。
終盤にクラシック曲「子犬のワルツ」のフレーズが入ってくる。またもや、ちゃんMARI劇場。

ほないこかさんの力強いドラムに短い歌詞が乗る「ruins」
1分にも満たない楽曲。サイケなコーラスが特徴的。

CM曲に使われた、タイトル通り遊び心を感じる「アソビ」
意味不明な歌詞とやっつけ仕事のようなサビ。
どういう意図でこの曲をCMに起用したかは分からないが、以外とCMにマッチしていた。変な曲。

細かいフレーズに耳を傾けると、彼らの演奏能力の高さを感じ取れる「光を忘れた」
「軽快なステップ」というフレーズから分かるようにダンスナンバー。
しかし、無理やり踊らせる感じではなく、自然と体が揺れる感じ。

6分越えの壮大なラストナンバー「bye-bye 999」
ゲスとしては初だと思われるストリングスを導入。
川谷さんの苦悩を感じ取れるポエトリーリーディングが印象的。
ラストの不思議なコーラスといい、実験的な楽曲。

聴く前の期待値が高すぎたので、ちょっと物足りなさも残る。
どの曲もサビがキャッチーなのは川谷さんらしい。しかし、曲展開が今作はストレートなものが多い。
ゲスの魅力の一つの先の読めない曲展開が今作は控え目な感じ。
曲単位では「crying march」、「サリーマリー」が気にいった。

全体を通して聴くと、「ちゃんMARIの存在感」と「歌詞のメッセージの明確化」が際立った。
まず、ちゃんMARIの存在感が今まで以上に際立っている。
クラシック曲を演奏するという分かりやすいものもあるが、ほとんどの曲で彼女のキーボードサウンドが主軸になっている。
また、川谷さんの歌詞の内容が具体的になった。
今までの曲はあえて意味のなさそうな歌詞にしていた節があるが、今作ではパーソナルな感情を歌にしている。
より、大きなバンドにしていくためのステップに感じた。

フルアルバムを出すには準備期間が足りなかったように思える。悪い作品ではないのだけれども。
彼らなら、もっと驚く魅力的なアルバムを作れるはず。
この4人でしか鳴らせない音楽を叩きつけてください!

1. ラスカ


2. デジタルモグラ

3. crying march
4. 星降る夜に花束を
5. 列車クラシックさん
6. 猟奇的なキスを私にして

7. サリーマリー
8. ruins
9. アソビ

10. 光を忘れた
11. bye-bye 999

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著者:S.S
1990年生まれ。愛知県出身。

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